毛衣(読み)ケゴロモ

デジタル大辞泉 「毛衣」の意味・読み・例文・類語

け‐ごろも【毛衣/×裘】

毛皮で作った防寒用衣服。かわごろも。 冬》「―を脱げば真肌のあらはなり/虚子
鳥の羽毛で作った衣服。羽衣うい

もう‐い【毛衣】

哺乳動物体表をおおう毛の全体をいう語。
毛皮でつくった衣服。けごろも。

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精選版 日本国語大辞典 「毛衣」の意味・読み・例文・類語

け‐ごろも【毛衣・裘】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 衣服のようにその体をおおっているところから ) 鳥の羽毛。また、羽毛で作った衣服。羽衣
    1. [初出の実例]「千年をかねて遊ぶ鶴のけころもに思ひまがへらる」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
    2. 「氅(ケゴロモ)につつみてぬくし鴨の足〈芭蕉〉」(出典俳諧続猿蓑(1698)冬)
  3. 毛皮で作った衣服。かわごろも。また、獣の体をおおっている毛皮。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「けさの冬よき毛衣を得たりけり」(出典:俳諧・蕪村句集拾遺(18C後))
  4. 海苔一種。〔和訓栞(1777‐1862)〕

もう‐い【毛衣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 哺乳動物の体表をおおう毛の総称下毛とそれをおおう上毛からなり、下毛は軟毛、上毛は粗毛。種々の色彩・模様があり、体表の保護・防寒・防暑など種々の機能を果たす。また、換毛が一定時期に起こり、夏毛・冬毛などに更新される。人・クジラゾウなどでは退化している。
  3. 動物の毛皮で作った衣服。けごろも。
    1. [初出の実例]「布帽毛衣曳珮璫双双繊手繍鴛鴦」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)拾遺)
    2. [その他の文献]〔白居易‐西涼伎〕
  4. 鳥の羽毛。鳥の羽。けごろも。〔漢書五行志

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普及版 字通 「毛衣」の読み・字形・画数・意味

【毛衣】もう(まう)い

鳥の羽。獣の毛。また、人の外貌。清・顧炎武〔路舎人、太湖東山に客居すること三十年、此れを寄せて柬(かん)に代ふ〕詩 翡(ひすい)、年深くして、侶(はんりよ)稀なり 霜、憔悴して、毛衣を減ず

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