出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
中国画の用語。5世紀,南斉末の画家,謝赫(しやかく)の画論《古画品録》の序にある〈六法〉の第一則に気韻生動とある。気はもと宇宙と人体とに遍満するものであり,陰陽の気として,あるいは元気として世界構成の原質であった。気韻生動とはこのような気が人物画や動物画においても働いて,生けるがごとき写実的表現が達成されていることをいう。ところが線描が素朴から繊細へ,さらに豪放へと発達すると,線描を通して画家の気持が絵画に反映するようになり,張彦遠の《歴代名画記》では気韻を立意と考えていて,生き生きとした写実とは画家の心情が感情移入されるのだという。中唐以降,いわゆる水墨画が興り,それに伴って山水画が盛行するようになると,人物画,動物画についていわれた気韻は通用しなくなり,北宋の郭若虚の《図画見聞記》では,気韻は生得のもので後天的にはいかんともしがたいとし,その画家の人柄によるという。水墨画が発達して以後は,墨の微妙な運用に気韻生動をみる傾向が強いようである。
執筆者:山岡 泰造
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
… 荆浩の《筆法記》は現存する最古の水墨画論で,主題としては松石図を論じている。伝統的な謝赫(しやかく)の画の六法に対して,新しい水墨画に適合するように修正された画の六要を主張し,人物の写実的描写のうちに対象の生命感と画家の心意の幸福なる調和をみる気韻生動に対して,気韻を気と韻に二分して気を画家の意に韻をその表現に配当し,山水画における気韻を論じた。また骨法用筆と随類賦彩,すなわち形と色を,筆と墨すなわち線描と墨の広がりの二極におきかえ,その間に多様なタッチの世界とでも呼ぶべきものを予想し,これを筆墨積微といっている。…
※「気韻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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