水鳥(読み)ミズトリ

デジタル大辞泉 「水鳥」の意味・読み・例文・類語

みず‐とり〔みづ‐〕【水鳥】

水上または水辺で生活する鳥の総称水禽すいきん 冬》「―や百姓ながら弓矢取蕪村
[類語]野鳥水禽海鳥家禽飼い鳥渡り鳥候鳥夏鳥冬鳥漂鳥留鳥旅鳥迷鳥禁鳥保護鳥益鳥害鳥雄鶏雌鳥小鳥猛禽鳴禽珍鳥始祖鳥

すい‐ちょう〔‐テウ〕【水鳥】

水禽すいきん。みずとり。
《字が水(氵)ととりからなるところから》酒のこと。

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精選版 日本国語大辞典 「水鳥」の意味・読み・例文・類語

すい‐ちょう‥テウ【水鳥】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水にすむ鳥。水禽(すいきん)。みずとり。
    1. [初出の実例]「船にとりのり、海上にうかむよそほひ、ただ滄波のうねにうきしづむ、すいてうのごとし」(出典:世阿彌筆本謡曲・知章(1427頃))
    2. [その他の文献]〔礼記注‐曲礼上〕
  3. ( 字が「水」と「酉(鳥)」とから成るところから ) 酒の異称
    1. [初出の実例]「水鳥の大師河原に酒屯」(出典:雑俳・江戸むらさき(1731))
  4. ( から転じて ) 酒飲み。飲酒家。
    1. [初出の実例]「揚屋揚屋の水鳥(スヰテウ)ら、ある夜其の夜は初雪を、酒に明かして対月と、噂にきくの盃開き」(出典一中節・廓の寿(1804))

みず‐とりみづ‥【水鳥】

  1. 〘 名詞 〙 水上または水のほとりで生活する鳥類の総称。水禽(すいきん)。古くは主に鴨(かも)の類をさした。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「大君は神にし坐せば水鳥(みづとり)のすだく水沼(みぬま)を都となしつ」(出典:万葉集(8C後)一九・四二六一)
    2. 「みづとりどもの つがひを離れず遊びつつ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)胡蝶)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水鳥」の意味・わかりやすい解説

水鳥
みずとり
water bird

鳥類を生態によって二分したときの一つで、水面または水辺で生活する鳥をいい、陸鳥に対する語。広義の水禽(すいきん)と同義である。その生活場所に対応して脚、足、翼、嘴(くちばし)などの形態に特殊化した特徴をもつものが多い。遊泳と潜水に関連した水かき、浅い水辺の歩行に関連した長い脚と長い足指、潜水に関連した小さな翼などがとくに目だつ。

 しかし、鳥のなかにはそのような特徴をもたないのに水辺に限って生活するものや、そのような特徴をもつのに水とは縁のない生活場所にすむものがあるために、水鳥という概念外延はあいまいである。

浦本昌紀

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