山頂から北西に延びる尾根続きに
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
鳥取県八頭(やず)郡と兵庫県養父(やぶ)市の県境にある山。中国地方第二の高山。標高1510メートル。須賀ノ山(すがのせん)ともいい、また周囲の赤倉山などを含めた山塊を氷ノ山とよぶこともある。原形は三郡変成岩や第三紀末の安山岩類を破って第四紀初頭に噴出した鐘状火山とみられ、火口状凹地、古生(こせ)沼の高地湿原植物群落は兵庫県指定天然記念物。1000メートル以高のブナ林、クロモジ群落、山頂部のキャラボクなどの風衝低木林があり、イヌワシ、ツキノワグマ、ヤマネなどが生息することが知られる。古敷岩(こしきいわ)などを中心に神霊伝承があり、古い蔵王権現(ざおうごんげん)の社址(しゃし)がある。山麓(さんろく)は4~5メートルの深雪地で樹氷現象もみられ、スキー場がある。舂米(つくよね)はかつての木地師集落で古い民俗が残る。氷ノ山後山那岐山(ひょうのせんうしろやまなぎさん)国定公園の主部。
[岩永 實]
鳥取県八頭(やず)郡と兵庫県養父(やぶ)市にまたがる山。大山に次ぐ中国山地第2の高峰。氷ノ山は一帯の山塊の総称でもあり,最高峰は須賀ノ山(すがのせん)(1510m)とも呼ばれる。第三紀の火山性山地の上に噴出した第四紀初頭の安山岩質溶岩からなり,火山活動の記録はない。東方に黒岩,沖ノ山など標高500~1000mの高原が続く。積雪が2~5mに及ぶ深雪地で,山頂付近のブナ林は霧氷をつける。北西の赤倉山との間の鞍部は氷ノ山越と呼ば,古くから交通路に利用された。西麓の鳥取県八頭郡若桜町落折,舂米(つくよね)は平家の落人村と伝えられ,木地師が多かった。舂米にはスキー場や民宿がある。氷ノ山後山那岐山国定公園に属する。
執筆者:藤原 健蔵
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