しる【汁】
〘名〙
※
古事記(712)上・
歌謡「染木が斯流
(シル)に 染め衣を まつぶさに 取り装ひ」
※宇津保(970‐999頃)祭の使「
厨女、〈略〉黄菜
(さはやけ)のしるしてもて来たり」
③ 六質汁
(むしつじる)のこと。芋・大根・
牛蒡(ごぼう)・
小豆(あずき)など六種の品を煮て汁としたもの。針供養に食するのが例だった。
※雑俳・柳多留‐一四二(1835)「汁の実も
乞食仕立の針供養」
※
随筆・
玉勝間(1795‐1812)一二「甘露寺元長卿記に、於
二姉小路三位亭
一有
レ汁、また、内蔵頭有
二招事
一、汁張行、など見えたり、今の世にも、田舎にて、汁といふことあり」
⑤ うるおい。みずみずしさ。
※わらんべ草(1660)二「物をかくも、老ては字にしるなく、つやなく、こつこつと見ゆる」
⑥ 雨気。
※俳諧・毛吹草(1638)五「花も露も残る樗や雲に汁〈秀重〉」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「汁」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
世界大百科事典内の汁の言及
【汁物】より
…日本における汁料理の総称。大別してみそ仕立てとすまし仕立てがあった。…
【闇汁】より
…灯火を消した暗やみの中で,めいめいが持ちよった一品ずつの材料を大なべに煮立てた汁の中に投じ,ころあいをはかって暗中模索してすくい上げて食べるという飲食遊戯。明治・大正期の書生たちが盛んに行ったもので,正岡子規も俳誌《ホトトギス》の発行所などでしばしばこの催しを楽しんでいる。…
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出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報