精選版 日本国語大辞典 「汎神論」の意味・読み・例文・類語
はんしん‐ろん【汎神論】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
存在するものの総体(世界・宇宙・自然)は一に帰着し、かつこの一者は神であるとする思想をいう。「一にして全(ヘン・カイ・パン)」「梵我一如(ぼんがいちにょ)」「神即自然」などが標語として用いられる。世界そのものが神であるとするから、有神論のように世界の外にある神と被造的世界との絶対的対立を認めず、すべてのものは神の現象であり、あるいは神を内に含むとする点で、創造以後は神は被造物に干渉しないとする理神論と異なる。神を世界を統一する普遍的原理、法則性として考える点で合理的側面をもつが、その反面で自我の神への帰入、主観と客観との絶対的合一を説いて神秘主義に至りやすい。神と世界とについて明確な概念が形成された後で登場するのが普通である。ウパニシャッド、古代ギリシアの一部に最初にみられる。西欧近世以降のブルーノ、スピノザ、ドイツ観念論とその周辺の思想家たちの汎神論的思想は、宗教の非合理性を排して、近代自然科学と調和させようという意図で築かれたものである。
[藤澤賢一郎]
『ブルーノ著、清水純一訳『無限、宇宙と諸世界について』(1967・現代思潮社/岩波文庫)』▽『ベーメ著、征矢野晃雄訳『黎明(アウロラ)』(1976・牧神社)』▽『スピノザ著、畠中尚志訳『エチカ』(岩波文庫)』▽『ヘルダー著、植田敏郎訳『神についての会話』(1968・第三書房)』▽『フィヒテ著、高橋亘訳『浄福なる生への指教』(岩波文庫)』▽『ヘーゲル著、木場深定訳『宗教哲学』全五冊(1950~59・岩波書店)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
神の超越性を強調するキリスト教に対し,神と自然の一致,同一性を説くもの。キリスト教からみれば,無神論と同じ異端で,ジォルダーノ・ブルーノ,スピノザのように宗教的迫害が加えられた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
… その第1は,世界の諸宗教を多神か一神かによって整理しようとする考え方である。すなわち,主として古代国家の宗教にみられる多神教polytheism(ギリシア,ローマ,エジプト,日本),多神のうち時に応じて特定の一神を重要視する単一神教henotheismや交替神教kathenotheism(古代インドのベーダ宗教),ただ一柱の神のみを絶対視する一神教monotheism(ユダヤ教,キリスト教,イスラム教),そしていっさいの存在物に神的なものの内在を想定する汎神教(論)pantheism(仏教)という分類がそれである。その第2は,神を人格的(形態的)存在と非人格的(非形態的)存在との2種に分ける考え方である。…
…このような自己の徹底的な死と復活である脱我的合一が神秘体験の宗教的核心をなす。この点で神秘主義は,絶対者を世界のうちにみる世界観としての汎神論から区別される。神秘主義がその世界観として汎神論を採ることはあっても,汎神論は直ちに神秘主義ではない。…
※「汎神論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
他の人にすすめること。また俗に、人にすすめたいほど気に入っている人や物。「推しの主演ドラマ」[補説]アイドルグループの中で最も応援しているメンバーを意味する語「推しメン」が流行したことから、多く、アイ...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新