江都督納言願文集(読み)ごうととくどうげんがんもんしゅう

改訂新版 世界大百科事典 「江都督納言願文集」の意味・わかりやすい解説

江都督納言願文集 (ごうととくどうげんがんもんしゅう)

唱導作品集。全6巻。大江匡房が1061年(康平4)から1111年(天永2)にかけて作った願文115編を帝王仙院后妃大臣諸卿,(欠),女人尼公,上客,庶人に部類し収録する。全6巻のうち,六蔵寺本は今日巻四を欠き5巻,永享7年(1435)の奥書を持つ古写本。中に天永二年十二月十八日,故匡房四十九日願文(匡房生前の擬作か)をも収める。匡房死後身辺の人が編纂したか。白河院の金峯山願文にみえる〈洞雲を履(ふ)んで嶺風に攀(よ)づ。風雲の感暗(そら)に至り,山月を藉(し)きて水を酌む。水月の応自(おのずか)ら成る〉の句は四六唱導文の名句である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 川口

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android