沃素(読み)ヨウソ

デジタル大辞泉 「沃素」の意味・読み・例文・類語

よう‐そ〔エウ‐〕【沃素】

iodineハロゲン族元素の一。単体は金属光沢をもつ暗紫色結晶昇華しやすく、蒸気紫色で刺激臭がある。有毒。水に溶けないが、沃化カリウム水溶液には溶けて褐色ベンゼンヘキサンでは紫色、アルコール・アセトンで褐色、でんぷんでは青色を呈する。天然には海藻チリ硝石などに含まれ、哺乳類では甲状腺に含まれてチロキシンを構成し、必須元素の一。分析試薬・医薬などに利用。元素記号I 原子番号53。原子量126.9。ヨード。

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精選版 日本国語大辞典 「沃素」の意味・読み・例文・類語

よう‐そ【沃素】

  1. 〘 名詞 〙 ハロゲン元素の一つ。元素記号 I 原子番号五三。原子量一二六・九〇四四七。分子は二原子からなり、常温では暗紫色の金属光沢をもつ結晶。揮発性があり紫の蒸気を出して昇華する。液体は赤褐色。水に溶けにくく、澱粉と作用して青紫色になる。チリ硝石や海水・海藻中に含まれ、哺乳類の甲状腺にはチロキシンとして存在する。工業的には海藻を焼いた灰の中に含まれる沃化物の電解あるいは酸化で採取される。ヨードチンキルゴール液などの医薬原料や沃素滴定の標準試薬として重要。ヨード。ヨジウム。〔稿本化学語彙(1900)〕

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