ちん‐こう ‥カウ【沈降】
〘名〙
①
下方に沈んでいくこと。また特に、
土地などが沈み下がること。
沈下。
※
舎密開宗(1837‐47)内「他酸に溶解する
銀液に
塩酸を加ふれば、其塩酸銀に和して塩酸銀と為て沈降す」
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デジタル大辞泉
「沈降」の意味・読み・例文・類語
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沈降
ちんこう
地殻あるいは地表面が、周辺地域よりも相対的に下降する運動、または下方にたわむ運動。側方への動きはないか、またはほとんど伴われない。沈降が広い範囲に大規模に生じると、地溝帯や堆積盆地などを形成する。逆に相対的に上昇することを隆起という。
[村田明広]
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沈降
ちんこう
sedimentation
均一に分散したコロイド粒子などが,重力や遠心分離作用などによって,ブラウン運動による粒子の拡散作用との均衡が破れて沈殿したり,不均一になること。この現象は粒子と溶媒との界面における濡れやすさと大きな関係がある。有極性の表面をもつ粒子は有極性の溶媒中で濡れやすく,均一分散しやすくなる。逆に無極性の表面をもつ粒子は有極性の溶媒中では粒子を濡らしにくく,沈降が起きやすい。後者の例として河川で運ばれた土砂微粒子が,河口で塩水にあい,沈降して三角州をつくる現象がある。 (→沈降速度 , 沈降平衡 )
沈降
ちんこう
subsidence
陸地が海面に対して相対的に下降する現象。地盤運動の一種で隆起に対する地形用語。地盤運動がなくても,海面が陸地に対して上昇すれば同様の結果を生じる。沈降によって生じた海岸地形を沈降海岸といい,リアス海岸のような複雑な海岸線をもつ場合が多い。陸地が海水の浸入によって海面下に位置するようになることを沈水というが,沈水と沈降とは必ずしも一致しない。
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沈降
チンコウ
sedimentation
分散系において,分散相の密度が分散媒の密度より大きいときに,重力のもとで沈下する現象.その密度の差が小さいときや分散粒子が小さいときには沈降速度が小さくなり,ブラウン運動による拡散速度に匹敵するようになると,事実上,沈降が認められない状態になる.これを沈降平衡という.分散相の密度のほうが分散媒の密度より小さい場合には,重力の方向とは反対に浮き上がるが,力学的には方向が反対になるだけで沈降と同様の法則に従う.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
ちんこう【沈降 sedimentation】
大量の液体中に微小粒子を混合してよくかきまぜ,粒子を液体中に均一に分散させたのち,混合液を容器中で静置すると,粒子の密度が液体の密度より大きければ粒子は重力により底に沈み,容器上方には粒子を含まない上澄み液ができてくる。この現象を沈降といい,気体中の粒子や液滴の場合でも同様である。沈降現象を起こす推進力は重力,粒子と液体との密度差,粒子の大きさなどであるが,このほかに遠心力,静電力を受けた粒子が流体中を移動するのも広い意味で沈降と呼ばれる。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
世界大百科事典内の沈降の言及
【地震災害】より
…日本の例では,濃尾地震(1891)における根尾谷断層が特に有名で,垂直方向のずれは6mにも達した。(2)隆起・沈降 上下方向に生じる地盤の変位である。(3)地すべり,山崩れ,崖崩れ,山津波 地盤が徐々に崩れる現象が地すべりである。…
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