沖ノ島遺跡(読み)オキノシマイセキ

デジタル大辞泉 「沖ノ島遺跡」の意味・読み・例文・類語

おきのしま‐いせき〔‐ヰセキ〕【沖ノ島遺跡】

福岡県沖ノ島にある遺跡海上交通に関する国家的祭祀の場であったらしく、鏡・玉・石製模造品など豊富な遺物の中には、朝鮮中国ペルシアから渡来したものも含む。
[補説]沖ノ島は、平成29年(2017)「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の一つとして世界遺産文化遺産)に登録された。

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精選版 日本国語大辞典 「沖ノ島遺跡」の意味・読み・例文・類語

おきのしま‐いせき‥ヰセキ【沖ノ島遺跡】

  1. 沖ノ島[ 一 ]にある古墳時代祭祀遺跡宗像神社沖津宮があり、また多数の奉献遺物を蔵する岩陰遺跡と須恵器類集積地とがある。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「沖ノ島遺跡」の解説

沖ノ島遺跡
おきのしまいせき

福岡県宗像(むなかた)市の沖ノ島にある祭祀遺跡。1954~71年(昭和29~46)に3次の発掘を実施。祭祀遺跡は,島の中腹にある巨岩群地区に集中し,23カ所を確認。祭祀の場は,(1)巨岩上祭祀(4~5世紀),(2)岩陰祭祀(5世紀後半~7世紀),(3)半岩陰・半露天祭祀(7~8世紀),(4)露天祭祀(8~9世紀)の4段階にわけられる。出土遺物も各段階に応じて変遷がみられ,(1)では鏡・玉類・武器・碧玉製品・工具類などで,前・中期古墳の副葬品に共通する。(2)では後期古墳の副葬品に共通し,中国大陸・朝鮮半島からの渡来品もある。(3)以降はペルシアのカットグラス,唐三彩長頸瓶,奈良三彩小壺,金属製雛形(ひながた)品など多彩で,奈良時代の祭祀遺物などに共通する。これらの遺物は,大和政権が大陸との対外交渉にともなう海上通交に際し,沖ノ島で国家的祭祀を執行したことを示すと考えられる。遺跡は宗像神社境内として国史跡,遺物は国宝

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沖ノ島遺跡」の意味・わかりやすい解説

沖ノ島遺跡
おきノしまいせき

福岡県の沖ノ島にある祭祀遺跡群。沖ノ島は玄界灘孤島で,宗像神社を構成する三宮の一つ沖津宮が鎮座し,古来神の島と呼ばれていた。社殿は島の南西中腹に位置している。1954~71年に 3次にわたって発掘調査が行なわれ,4~9世紀の銅鏡,装身具,馬具,石製模造品,金属製雛形品,容器類,利器類など約 8万点が発見された。質的に優れたものも多く,金銅製龍頭(こんどうせいりゅうとう),唐三彩など日本と中国の交流を物語る遺物もある。

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百科事典マイペディア 「沖ノ島遺跡」の意味・わかりやすい解説

沖ノ島遺跡【おきのしまいせき】

福岡県沖ノ島の古墳時代に始まる祭祀(さいし)遺跡。1954年以降の学術調査により,宗像(むなかた)大社(沖津宮)の周囲の岩陰から鏡,玉類,刀剣,馬具などの遺物が発見された。舶載品と思われるものが多く,大陸との交渉史上重要。
→関連項目沖島祭祀遺跡

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旺文社日本史事典 三訂版 「沖ノ島遺跡」の解説

沖ノ島遺跡
おきのしまいせき

福岡県北西部,沖ノ島にある4世紀末以来の祭祀遺跡
沖ノ島は福岡県宗像 (むなかた) 神社に属する島で,海上交通の守護神宗像神社の奥宮があり,大陸との通交にあたってこの島で国家的祭祀が挙行されたとみられる。1954年以来の発掘で祭祀遺跡のほか縄文・弥生時代の遺跡も発見された。

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国指定史跡ガイド 「沖ノ島遺跡」の解説

おきのしまいせき【沖ノ島遺跡】


⇒宗像神社境内(むなかたじんじゃけいだい)

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世界大百科事典(旧版)内の沖ノ島遺跡の言及

【筑前国】より

…弥生時代には先進的な文化が発達し,福岡市の板付や春日市の須玖岡本などすぐれた遺跡や遺物に富んでいる。古墳時代にも嘉穂郡の王塚や鞍手郡の竹原などの装飾古墳に見られるような独自の文化が発達し,宗像郡の沖ノ島遺跡は海上交通にかかる祭祀遺跡として有名である。対外交渉が頻繁になるにつれて当国はその重要性を増し,536年那津(なのつ)(福岡市)に官家(みやけ)が修造され,7世紀初頭にはその長官とみられる筑紫大宰(つくしのおおみこともち)が出現した。…

※「沖ノ島遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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