日本大百科全書(ニッポニカ) 「河原崎国太郎」の意味・わかりやすい解説
河原崎国太郎
かわらさきくにたろう
歌舞伎(かぶき)俳優。屋号山崎屋。
[服部幸雄]
5世
(1909―90)本名松山太郎。洋画家松山省三の子。東京生まれ。2世市川猿之助(猿翁(えんおう))の門に入り、市川笑也(えみや)と名のり、劇団前進座の結成に参加。1932年(昭和7)5世国太郎を襲名。前進座の立女方(たておやま)として活躍、とくに世話物の女方に優れ、悪婆(あくば)物に独自の味を発揮した。著書に自伝『河原なでしこ』(1955)、『女形芸談』(1972)、『女形半生記』(1991)などがある。
[服部幸雄]
6世
(1962― )6世嵐芳三郎(あらしよしさぶろう)の長男。本名寺田克己。前進座の女方。1998年(平成10)、5世嵐市太郎(いちたろう)から6世河原崎国太郎を襲名。
[服部幸雄]