精選版 日本国語大辞典 「沸騰」の意味・読み・例文・類語
ふっ‐とう【沸騰】
わき‐のぼ・る【沸騰】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
液体が気化して蒸発するとき蒸気圧が温度とともに増大するが、蒸気圧が増して液体内部で気化がおきて泡になって表面に出て行く現象、すなわち液体が内部から気化する現象をいう。一般に沸騰は沸点よりやや高い温度でおこる。沸点は液相がその飽和蒸気と平衡を保って共存する温度であるが、飽和蒸気圧というのは平らな液面と接して平衡にある気相の圧力である。しかし液体内部にできる気泡は液体の凹面で囲まれているため、表面張力によって気泡内の圧力は液体の圧力より大きくなければならない。沸点に相当する飽和蒸気圧の気泡は表面張力のために押しつぶされてしまって気化することができない。このため、液体内部の気泡を気化させるためには、沸点よりもかなり高い温度にして気泡内の圧力が表面張力に打ち勝つようにしなければならない。このためきわめて純粋な液体は沸点よりかなり高い温度まで加熱しても沸騰しないままでいることができる。このような液体を過熱状態にあるといい、この現象を沸騰の遅れという。実際には容器の壁や液中のごみなどに吸着していた空気が解放されて泡となり、その中に液体が気化していって泡が成長することができるので、沸点よりごくわずか高い温度で沸騰することができる。過熱状態になって初めて突発的に沸騰し始める現象は突沸とよばれている。
揮発性の2成分からなる溶液が蒸気と平衡を保つ場合に、その蒸気圧が1気圧となる温度は溶液の組成に依存するので、この温度を組成に対して描いたものを沸騰曲線または蒸発曲線とよんでいる。沸点において液体が気体に変わるために必要な熱は潜熱の一種であり、気化熱または蒸発熱という。これは気体から液体になるときに放出される凝縮熱に等しい。
[平野賢一]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…蒸発や昇華は液体や固体の表面からの気化であるが,液体の温度が上がり,圧力で決まる一定の温度(沸点)に達すると,液体の内部からの気化が起こる。これは沸騰と呼ばれる。気化は,一次相転移の一種で,温度一定の下で物質の密度が不連続に増す。…
※「沸騰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新