地方税法で規定された税以外に、地方自治体が条例に基づいて導入する独自税。2000年(平成12)に施行された「地方分権一括法」で導入が容易になり、全国の自治体で制定の動きが広がった。ただ法定外税収額は年400~500億円台であり、地方税収入全体の0.1%台にとどまっている。
法定外税には、税収を特定目的に使う「法定外目的税」と、使途を限らない「法定外普通税」がある。地方分権を進めるため自治体の課税自主権を尊重しようと、2000年に法定外目的税の創設が認められ、法定外普通税も総務大臣の許可制から協議・同意制へと移行し導入しやすくなった。おもな法定外税には、原子力発電所のある多くの自治体が導入している核燃料税、砂利の運送などによる交通事情の悪化に対応する措置を講ずるための砂利採取税や産業廃棄物処理費用にあてる産業廃棄物税がある。このほかホテルや旅館宿泊者に対する宿泊税(東京都)、観光地に自動車を乗り入れる人に課税する乗鞍(のりくら)環境保全税(岐阜県)、別荘所有者にかける別荘等所有税(静岡県熱海市)、ワンルームマンションの乱立を防止する狭小住戸集合住宅税(東京都豊島区)などが有名である。
ただ特定企業を対象とした法定外税の導入構想が相次いだため、2004年度の税制改正で、負担が重くなる納税者(企業)の意見を議会が聞く制度が設けられた。なお、大手銀行を対象に東京都が導入しながら敗訴した「銀行税」(外形標準課税)は法定外税ではなく、法人事業税の超過課税である。
[編集部]
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