法施(読み)ホウセ

デジタル大辞泉 「法施」の意味・読み・例文・類語

ほう‐せ〔ホフ‐〕【法施】

仏語
三施の一。人に仏法を説いて聞かせること。ほっせ。
仏などに向かって経を読み、法文を唱えること。ほっせ。

ほっ‐せ【法施】

ほうせ(法施)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「法施」の意味・読み・例文・類語

ほう‐せホフ‥【法施】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 三施の一つ。人に仏法を説いて聞かせること。ほっせ。
    1. [初出の実例]「唯来り乞ふ者を見ば、〈略〉法施財施す可し」(出典:日本霊異記(810‐824)下)
    2. [その他の文献]〔無量寿経‐上〕
  3. 神仏に対して経を読み、法文を唱えること。ほっせ。
    1. [初出の実例]「里の男女、此の夜叉の許に詣て、或は法施を奉り、或は供具を備て」(出典:今昔物語集(1120頃か)一七)
  4. 僧が仏法によって衆生に布施すること。
    1. [初出の実例]「蓋為知識者、不法施于人使然也」(出典空華日用工夫略集‐応安四年(1371)四月二三日)

ほっ‐せ【法施】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. ほうせ(法施)
    1. [初出の実例]「法施(ホッセ)不退の霊場となし給へり」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)拾遺)
  3. ほうせ(法施)
    1. [初出の実例]「西の宮の前にてほっせたてまつりて、平らかに宮こへ返べきよしぞ祈り申さるる」(出典:高倉院厳島御幸記(1180))

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世界大百科事典(旧版)内の法施の言及

【布施】より

…今日,葬式のあとで粗供養を出し,銭まきをするなどはこれで,僧侶だけに与えるのを布施というのはその変化である。これに対して,僧侶が経を読み説経するのを法施という。【五来 重】。…

※「法施」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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