デジタル大辞泉 「法琳」の意味・読み・例文・類語 ほうりん〔ホフリン〕【法琳】 [572~640]中国、唐代の僧。潁川(河南省)の人。道教の排仏論に対抗し、仏教の護法に努めた。晩年は道士の讒言ざんげんにより四川省に配流。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「法琳」の意味・わかりやすい解説 法琳 (ほうりん)Fǎ lín生没年:572-640 中国,唐初の護法僧。俗姓は陳。排仏論者の傅奕(ふえき)に対抗して論陣をはり,《破邪論》と《弁正論》を著したが,《弁正論》のなかに唐朝の忌諱にふれるところがあったため,長安から蜀に追放される道中で死亡。若くして道士となったことがあり,攻撃の相手の道教の事情にもよく通じていた。両書は《日本国見在書目録》に著録されるのみならず,《弁正論》はつとに空海が利用し,また親鸞も《教行信証》に引証している。執筆者:吉川 忠夫 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法琳」の意味・わかりやすい解説 法琳ほうりんFa-lin [生]太建4(572)[没]貞観14(640)中国,唐初の僧。武徳年間における道士,傅奕 (ふえき) の排仏論に対して,仏教のために論難弁駁した。儒教,道教を学んでのち仏門に入り,『破邪論』によって道教の妖妄であることを指摘して,これを攻撃した。また『弁正論』は皇帝を誹謗するものであると,道士,奏世英によって訴えられ,四川省に配流された。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報