法言(読み)ホウゲン

デジタル大辞泉 「法言」の意味・読み・例文・類語

ほう‐げん〔ハフ‐〕【法言】

手本となる言葉。従うべき言葉。
揚子ようし法言」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「法言」の意味・読み・例文・類語

ほう‐げんハフ‥【法言】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 範として従うべきことば。手本となる正しいことば。法語。
    1. [初出の実例]「法言に曰く『労苦は百事に勝つ』」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一一)
    2. [その他の文献]〔孝経〕
  2. [ 2 ] 中国の儒学書。一三巻。前漢の揚雄撰。「論語」の体裁を模して聖人を尊び王道を論じたもの。道家のことばで儒教を説き、孟子荀子調和を試み性善悪混淆説を唱える。揚子法言とも。宋の司馬光による注釈書「法言集注」一〇巻が著名。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法言」の意味・わかりやすい解説

法言
ほうげん
Fa-yan

中国,前漢末の学者,文人揚雄著書。 13巻。自己の思想あるいは人々との問答などを 13編に編纂整理し,それぞれの編に要旨を序したもの。五経を尊び,道徳で国を治めることを説いている。

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世界大百科事典(旧版)内の法言の言及

【擬経】より

…中国,経書を摸擬して著作すること。前漢末の揚雄は経のうち最も尊ぶべきは《易経》であると考え,《易経》に摸擬して《太玄経》を作り,伝のうち最も尊ぶべきは《論語》であるとして,《論語》に摸擬して《法言》を作った。また隋の王通は《礼論》25篇,《楽論》20篇,《続書》150篇,《続詩》360篇,《元経》50篇,《賛易》70篇,いわゆる王氏の六経を著した。…

【揚雄】より

…その後,《易》になぞらえて《太玄経(たいげんけい)》を著し,無欲で心静かな生き方を守ろうとした。また,《論語》を模した《法言(ほうげん)》では,王道を論じて道徳による政治を説いた。当時の学者の中には彼の才能を絶賛する者も多かったが,晩年,簒奪者王莽(おうもう)に仕えたことや,王の即位に直接関与したのではなかったものの,彼に媚びる文を作ったことで世間の非難をあびた。…

※「法言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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