流線形(読み)リュウセンケイ(英語表記)streamline shape

デジタル大辞泉 「流線形」の意味・読み・例文・類語

りゅうせん‐けい〔リウセン‐〕【流線形/流線型】

流れの中に置かれたとき、周りに渦を発生せず、流れから受ける抵抗が最も小さくなる曲線で構成される形。一般に細長くて先端が丸く、後端がとがる。魚の体形がこの例で、航空機自動車列車などの形に応用される。

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精選版 日本国語大辞典 「流線形」の意味・読み・例文・類語

りゅうせん‐けいリウセン‥【流線形・流線型】

  1. 〘 名詞 〙 流体中にある物体外形流線に近い場合、その形をいう。液体気体の中を運動するとき受ける抵抗が最も小さくなるので、飛行機や自動車、列車などの形に応用されている。流線がた。
    1. [初出の実例]「遊歩デッキの前端は飛行機からヒントを得たであらう流線型(リウセンケイ)曲面として」(出典:旅‐昭和九年(1934)一一月号・優秀船物語〈今道潤三〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「流線形」の意味・わかりやすい解説

流線形 (りゅうせんけい)
streamline shape

物体が流れの中に置かれたとき,物体表面が流線と一致しているような形をいう。流線形物体では,物体表面から境界層と呼ばれる薄い渦層が剝離しないため,乱流の発生が抑えられる傾向にある。その結果,エネルギー損失が少なくなり,流線形物体が流体中を動くとき,球のようにずんぐりした物体より抵抗がはるかに小さい。このことは航空機などの高速度物体ではとくに重要であり,流線形の研究は翼の研究と深く結びついてきた。しかし,近年のように飛行速度が音速に近いあるいはそれ以上となると,流線形がもっとも抵抗が小さい形とは限らない。飛行速度が音速と同程度になると,空気がぶつかる物体前面から下流に向けていわゆる衝撃波が現れる。衝撃波の発生も抵抗増大の主要因となり,翼などでは衝撃波の発生しない形がしばしば要求される。このときの形は一般的には流線形と異なる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「流線形」の意味・わかりやすい解説

流線形
りゅうせんけい
streamline shape

流れの中に物体を置いたとき,物体表面に沿う流線最後まで物体を離れないような形をいう。流線形の物体の受ける抵抗は,粘性抵抗がほとんどで,圧力抵抗が働かないため,他の形の物体に比べてきわめて小さい。飛行機の翼断面胴体の形は流線形になっている。

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