出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
静岡県富士市から沼津市にかけての沿岸低湿地。かつては沼地であったが、愛鷹(あしたか)山の裾野(すその)と駿河(するが)湾奥部の砂丘との間の潟湖(せきこ)状の富士沼、浮島沼、柏原(かしわばら)沼、須津(すど)沼などが、沼川や山地からの小河川の運搬する土砂によって埋め立てられ、沼は消滅した。しかし、排水不良地で湛水(たんすい)の害や、浮島現象が洪水時に生じるため1943年(昭和18)第一昭和放水路を完成、1963年第二放水路を完成して水田化を進めた。泥層や泥炭層などの厚い軟弱地盤の地帯であるが、盛り土による土地利用の変化もみられ、国道1号(旧、富士バイパス)が浮島ヶ原を横断する。以前は愛鷹山麓(さんろく)に沿う根方(ねがた)街道が東西の交通路であり、東海道は南の砂丘上を通り低湿地を避けていた。
[北川光雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…もともと兵力,軍粮に不安のあった中央平氏軍の戦意は萎縮するばかりであった。他方源頼朝も,20日には富士川近くの賀島(富士市)まで兵を西進させたが,同日夜半,武田信義軍が平氏軍の背後に進出しようとしたところ,富士沼(浮島ヶ原)に群棲する水鳥がいっせいに舞い上った。その羽音を大軍の来襲と誤認した平氏軍は総崩れとなり,なすところなく潰走したという。…
※「浮島ヶ原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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