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デジタル大辞泉
「海岸平野」の意味・読み・例文・類語
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海岸平野
かいがんへいや
海岸に広がる平野。狭義には、海底の一部が隆起して形成された平野をいう。広義には、海岸砂州や砂丘、その内陸側の潟湖(せきこ)や後背湿地、さらにデルタや扇状地など、海岸地帯に分布する低平な地形全体の総称として用いる。日本の海岸平野は、縄文時代の海進作用によって広く海に覆われたのちに、その後の海退作用によって陸地化した。そのため、海岸平野の地下には、貝殻などの化石を含む砂や泥からなる海成層がみられることが多い。このような海岸平野が隆起したのちに、河川によって多少侵食されたものを開析海岸平野とよぶ。そのうち、ケスタ状になった帯状地形を帯状海岸平野という。
[豊島吉則]
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かいがんへいや【海岸平野 coastal plain】
この語は大別して二つの意味に用いられている。一つは,関東平野,大阪平野,濃尾平野などのように海に面して分布する平地を指し,松本平や甲府盆地などのような内陸に分布する平地(内陸盆地)と対照的に用いる場合である。この場合は,地形的には低地,台地,丘陵を含め,成因的にも河川および海の営力によってできた各種の地形からなりたっている。もう一つは,主として海の営力によって形成された平野で,浅い海底が海面の低下や地盤の隆起運動によって,海面上に現れて陸化した低平な地形を,地形学の分野でとくに海岸平野とよんでいる。
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海岸平野
かいがんへいや
coastal plain
海岸に面した低平地。地学的には,海底の堆積平坦面が離水した低平地に限定して用いる。この形成には,第四紀後半の気候変化に伴う海面の変化の影響が大きいと考えられている。この平野は,もとからある上流の平野に比べて傾きが急で根釧原野の一部のように,複雑に開析された台地をつくる場合が多い。一般に単調な離水海岸線に発達している。日本では,九十九里浜沿岸の平野などにみられる。アメリカの東南岸沿いには,大規模な海岸平野が発達している。
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海岸平野【かいがんへいや】
土砂の堆積した浅海底が地盤の隆起または海面低下によって陸上に現れてできた平野。関東の常総台地,大宮台地など日本にもその例は多く,米国大西洋岸の海岸平野は有名。
→関連項目平野
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