海松色(読み)ミルイロ

デジタル大辞泉 「海松色」の意味・読み・例文・類語

みる‐いろ【海松色/水松色】

黒みがかった萌葱もえぎ色。木賊とくさ色。みる。
かさねの色目の名。表は萌葱、裏は青。また、表は黒萌葱、裏は白。

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精選版 日本国語大辞典 「海松色」の意味・読み・例文・類語

みる‐いろ【海松色・水松色】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 萌葱(もえぎ)色の黒みがかった色。木賊(とくさ)色。みる。
    1. [初出の実例]「細烏帽子に袖単白して、海松(ミル)色の水干著たる調度懸六人」(出典太平記(14C後)一三)
  3. (かさね)色目の名。表は萌葱、裏は青。一説に表は黒萌葱、裏は白。〔物具装束鈔(1412頃か)〕

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色名がわかる辞典 「海松色」の解説

みるいろ【海松色】

色名の一つ。JISの色彩規格では「暗いみの黄緑」としている。一般に、海草類ミルミルのような、くすんだ濃い黄緑のこと。ミルは干潮線以下の岩の上に群生し食用となる。『万葉集』に詠まれるほど古くから知られており、平安時代かさね色目いろめでは表が萌黄もえぎ、裏はなど。鎌倉時代ごろから色名となったとされる。江戸時代には茶色がかった海松色の着物が流行した。うぐいすを濃くしたようなイメージで、現代でも衣料品や日用雑貨類などに用いられる。

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