海軍の主計科士官を養成する学校。日本の旧海軍主計科士官の養成は,1874年東京芝山内に海軍会計学舎を設け,アメリカ海軍主計官バートンJ.Q.Bartonを招き,生徒に会計法を教育したのが始まりで,その後海軍主計学舎,海軍主計学校,海軍主計官練習所と改称され,1907年4月海軍経理学校が新設されて本格的な生徒教育が始まった。校舎は1888年築地に移り,1923年関東大震災により焼失し,32年築地小田原町に新築した。生徒の採用,教育は海軍兵学校に準じて行われ,卒業後海軍主計少尉候補生となり,練習艦隊の実習,遠洋航海を経て海軍主計少尉に任官した。また甲種(主計少佐,大尉),高等科(主計大尉,中尉),普通科(主計中尉,少尉),補習(一般大学出身,短期現役主計中尉,少尉),選科(主計少佐,大尉),特修(主計科准士官,下士官)の各種学生教育ならびに主計科下士官兵の技能教育もあわせ実施した。学校は44年9月品川に移転し,従来の本校は築地分校(補習学生教育)となり,また同年11月浜松分校(練習生教育,翌年7月閉鎖),45年2月垂水分校(兵庫県,生徒教育),橿原分校(奈良県,予科生徒教育)が開設されたが,45年11月30日海軍官制の廃止とともにいずれも廃校となった。1907年以降生徒の卒業生は927名,終戦時在校生は1852名である。
執筆者:市来 俊男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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