淀む(読み)ヨドム

デジタル大辞泉 「淀む」の意味・読み・例文・類語

よど・む【×淀む/×澱む】

[動マ五(四)]
水や空気などが流れずにとまって動かない。「水が―・んでいる岩かげ」「空気が―・んでいる」
底に沈んでたまる。また、どんより濁る。「泥が底に―・んでいる」「―・んだ目をしている」
動作などが順調に進まない。滞って動かない。「言いにくそうに言葉が―・む」
[類語](1沈殿とどこおる清流濁流急流激流奔流懸河緩流放流放水貫流合流蛇行流れる流動する流通する流出するける通う・流れ下る・押し流す逆巻く渦巻く/(3とどこおるぐずつくもたつく支える手間取る渋滞停滞凝滞結滞沈滞延滞遅滞停頓

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精選版 日本国語大辞典 「淀む」の意味・読み・例文・類語

よど・む【淀・澱】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. 流れがとどこおり水がたまる。水や空気の流れがとまって動かなくなる。
      1. [初出の実例]「ささなみの志賀の大わだ与杼六(ヨドむ)とも昔の人にまたも逢はめやも」(出典:万葉集(8C後)一・三一)
      2. 「あさりにはしばしよどむぞ山川の流れもやらぬ物な思そ」(出典:古今著聞集(1254)一)
    2. 物事が順調に進まないでとどこおる。また、動かないでしばらくとどまる。停滞する。
      1. [初出の実例]「玉藻刈る井堤のしがらみ薄みかも恋の余杼女(ヨドめ)る吾が心かも」(出典:万葉集(8C後)一一・二七二一)
    3. ためらう。躊躇(ちゅうちょ)する。
      1. [初出の実例]「松浦川七瀬の淀はよどむともわれは与騰麻(ヨドマ)ず君をし待たむ」(出典:万葉集(8C後)五・八六〇)
    4. 底に沈みたまる。どんよりとにごる。水底異物が沈んでたまる。沈殿する。
      1. [初出の実例]「洲は川池等泥土の淤(ヨトミ)たる処をいふ」(出典:小学読本(1874)〈榊原那珂稲垣〉二)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下ニ 〙よどめる(淀)

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