精選版 日本国語大辞典 「清濁」の意味・読み・例文・類語
せい‐だく【清濁】
〘名〙
① 清いことと濁っていること。澄むことと濁ること。
※三教指帰(797頃)上「清濁剖判、最霊権輿、並稟二儀、同具五体」
※太平記(14C後)二五「凡一陽分れて後、清濁(セイダク)汚穢(わえ)を忌慎む事」 〔春秋左伝‐昭公二〇年〕
※台記‐久安四年(1148)一〇月五日「禅閤以レ箏調二同調一、後着レ之、禅閤曰、納言辨二清濁一、勝二于余一」
※古今著聞集(1254)六「清濁のくらゐみな五音をいでず」 〔礼記‐楽記〕
※菅家文草(900頃)八・音韻清濁「焉在二〈略〉喉中・舌前・牙歯・脣吻之清濁一」
※俳諧・三冊子(1702)わすれ水「清濁の事、濁るを清(す)むは難なし。すむを濁るは恥也」
④ (━する) 清音と濁音の印をつけて、読み方や発音が分かるようにすること。
※日葡辞書(1603‐04)「キャウヲ xeidacu(セイダク)スル」
すみ‐にごり【清濁】
〘名〙
① すんでいることと、にごっていること。また、そのもの。転じて、比喩的に、善と悪。楽と苦。せいだく。
※人鏡論(1487)「古き世のことわざに、いやしきがちまたの言葉に、世のすみにこりをしるといふ事誠なる哉」
② 清音と濁音。せいだく。
※名語記(1275)四「すみにごりは心ならざる事也。かみの字にひかれて自然にいでくる清濁也」
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