渋味(読み)しぶみ

精選版 日本国語大辞典 「渋味」の意味・読み・例文・類語

しぶ‐み【渋味】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接尾語。後に「あじ」を意味する「み(味)」の意識が加わった )
  2. 味の渋いこと。また、その度合。しぶさ。
    1. [初出の実例]「葡萄酒の溢れて未だ赤く濡れて居る敷布(シイツ)〈略〉俊三は星子を俯けて敷布を嘗めさせた━其の渋味に星子は顔を顰(ひそ)めて」(出典:良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉中)
  3. 派手ではないが、深みのある上品な趣。くすんだ味わいのある趣。容姿、物の色や柄、文芸芸術などに対して広く用いる。
    1. [初出の実例]「其立派な老顔には、どことなく渋味(シブミ)があり」(出典:小公子(1890‐92)〈若松賤子訳〉一二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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