喜劇俳優。本名渋谷(しぶたに)一雄。京都市祇園(ぎおん)の生まれ。父初代渋谷天外(1872―1916。本名渋谷博喜智)は、2代目となる一雄の生まれた明治39年に落語出身の中島楽翁と喜劇団楽天会を結成した大阪喜劇草分けの一人。その関係で、8歳のとき東京・明治座で初舞台。志賀廼家淡海(しがのやたんかい)一座を経て、1928年(昭和3)曽我廼家十吾(そがのやじゅうご)と松竹家庭劇を結成、翌年2代目を襲名した。洒脱(しゃだつ)な人柄そのままの軽妙な演技で舞台に立つかたわら、館直志(たてなおし)ほかの筆名で数えきれないほどの脚本も書く。第二次世界大戦後の1948年(昭和23)には松竹新喜劇(現新生松竹新喜劇)を結成、その中心的存在として放送・映画にも活躍、また藤山寛美(かんび)をスターに育てるなど、大阪喜劇を全国的に広める原動力となった。脚本の代表作に『桂春団治(かつらはるだんじ)』『花ざくろ』『銀の簪(かんざし)』など、著書に『笑うとくなはれ』『わが喜劇』など。1992年(平成4)2代目天外の実子(本名渋谷喜作、1954― )が3代目を襲名した。
[向井爽也]
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…旗揚げは1948年12月,大阪の中座で,以後もそこを本拠として活動し現在に至っている。旗揚げのプログラムは茂林寺文福(もりんじぶんぷく)こと曾我廼家十吾(そがのやとおご)(1892‐1974)と館直志(たてなおし)こと渋谷天外合作《丘の一本杉》,和老亭当郎(わろうていとうろう)こと曾我廼家十郎作《手》,一堺漁人(いつかいぎよじん)こと曾我廼家五郎作《嵯峨野の雪》ほかであった。参加メンバーには渋谷天外,曾我廼家十吾,浪花(なにわ)千栄子(1907‐73),藤山寛美(かんび)(1929‐90),曾我廼家大磯,曾我廼家明蝶(めいちよう),曾我廼家五郎八,曾我廼家鶴蝶(つるちよう)らがいる。…
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