おん‐せん ヲン‥【温泉】
[1] 〘名〙 自然に湧出し、または人工的に汲み出したとき、その地域の
平均気温よりも高い水温をもつ
地下水。
日本では、火
山地域の高い
地熱によって地下水があたためられたものと考えられる場合が多い。場所によって年平均気温が異なるため、日本では摂氏二五度以上と決められている。また、その湯に入浴する
施設のあるところ。いでゆ。
温泉場。
温湯(おんとう)。
※
続日本紀‐大宝元年(701)一〇月丁未「車駕至
二武漏温泉
一」 〔
水経注‐

水〕
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デジタル大辞泉
「温泉」の意味・読み・例文・類語
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温泉【おんせん】
水温25℃以上または一定量以上の溶存成分(総量で1g/kg以上,または温泉法で定める特定の成分が所定量以上)を含む地下水。冷鉱泉(25℃未満),低温泉(25〜34℃),温泉(34〜42℃),高温泉(42℃以上)に分類する場合もある。また化学組成によって単純泉,単純炭酸泉,重炭酸土類泉,重ソウ泉,食塩泉,硫酸塩泉,鉄泉,ミョウバン泉,硫黄泉,酸性泉,放射能泉の11項目に区分されていたが,1978年の鉱泉分析法改定で塩類泉,単純温泉,特殊成分を含む温泉に大別された。自然湧出の温泉は火山地帯に多く,その熱源は冷却し続けているマグマにある。しかし温泉水の大部分は地表から浸透していった循環水で,数%以下がマグマに由来する処女水である。溶存成分の多くは循環水中に途中の岩石中の可溶性成分が抽出されたものであり,一部がマグマ由来と考えられている。近年,平野の地下深部などで多数の温泉が開発されているが,これらは非火山性の地温上昇による温泉である。→鉱泉
→関連項目冷泉
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温泉
おんせん
兵庫県北西部,新温泉町中・南部の旧町域。岸田川上流域にあり,西は鳥取県に接する。 1927年町制。 1954年照来村,八田村の2村と合体。 2005年浜坂町と合体して新温泉町となった。湯村温泉は泉温 98℃の「荒湯」で知られ,平安時代初期,天台座主慈覚大師 (→円仁 ) の発見といわれる。温泉熱を利用して野菜,果樹などの温室栽培が行なわれる。但馬牛の主産地。付近にはスキーの好適地が多い。南部の山地は氷ノ山後山那岐山国定公園に,北東部の山岳地一帯は但馬山岳県立自然公園に属する。
温泉
おんせん
hot spring; thermal spring
温泉学的には,物理的,化学的に普通の水と性質を異にする天然の特殊な水が,地中から地表に出てくる現象を温泉と定義し,その水を温泉水という (広義の温泉) 。日本の温泉法 (昭和 23年法律第 125号) では,地中から湧出する温水,鉱水および水蒸気その他のガス (炭化水素を主成分とする天然ガスを除く) で,温泉法で規定した表に掲げる温度または物質を有するものを温泉としている。温泉を特徴づける物理的性質の一つは泉温であるが,日本 (温泉法) では 25℃以上,イギリス,ドイツ,フランス,イタリアの諸国では 20℃以上と規定している。福富孝治は,その土地の年平均気温プラス7℃以上,25℃未満のものに対して微温泉という名称を与えている。温泉は泉温,泉質 (pH,溶解成分) ,湧出形式などによって種々の区分あるいは分類が行われている。 (→鉱泉 )
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おんせん【温泉】
地球内部の熱により温められた地下水の自然にわき出る現象が温泉である。成分に着目すれば無機物質を多量に溶かしている泉水を鉱泉と総称し,そのうち温度が比較的高いものを温泉,冷たいものを冷鉱泉と呼ぶ。 日本の温泉法(1948制定)では,温泉を,地中から湧出する温水,鉱水および水蒸気,その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で,表1の温度または物質(いずれか一つ)を有するものと規定している。これによると火山ガス,火山性水蒸気,25℃未満の鉱泉も,一般常識と多少かけ離れているが,温泉とされる。
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温泉
鉱泉の中で比較的温度が高いもの.温度の低いものを冷泉といいその境界温度は一定していないが,便宜上一般に湧出地点の年平均温度が境とされている.日本では25℃以上,または特定の成分を一定値以上含まれているものを温泉という.一般に温泉は火山活動の結果起こったもので,間歇泉が周期的であることに比べて,熱い水が連続的に流れる泉である[Holmes : 1962].
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世界大百科事典内の温泉の言及
【聖地】より
…比叡山や高野山はもとより,大山(だいせん),白山,英彦山(ひこさん),石鎚山などの霊山も数多くの縁起や霊験説話を生みだした。そしてその聖なる中心点にはしばしば聖なる泉がわき,温泉が噴き出ている。業病を背負う巡礼者はその聖なる泉にわが身をひたして加護を祈り,聖水を飲みほして精神の安らぎを求め,またそれを眼や脚に注いで患部の蘇生を祈願した。…
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