( 1 )中古以来、「なずらえる」「なぞらえる」の両形がある。古辞書では、古くは「なずらう」の形が圧倒的だが、やがて「なぞらう」がふえてくる。しかし、「なぞう(なそう)」という語形が上代にあり、「なぞらう」はこれからの派生語と考えられるので、「なずらう」の方が古いとも断じにくい。なお四段活用をする自動詞は、古くは「なずらう」で「なぞらう」の確例は少ない。現代では文語的表現に用い、いずれも下一段活用であるが、「なぞらえる」の方がやや一般的といえる。
( 2 )ナゾラフがどのようにして成立したのかは未詳。ナゾフと関係があるとすればラフは接尾語的なものということになるが、ラフは平安時代には発達していない。また、ナゾルから作用継続性動詞としてナゾラフが派生したことも考えられるが、ナゾルが現れるのははるかに時代がくだってから。
( 3 )室町時代頃からヤ行にも活用した。→なぞらゆ(準)
→「なぞらえる(準)」の語誌
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