滴る(読み)シタタル

デジタル大辞泉 「滴る」の意味・読み・例文・類語

した‐た・る【滴る/×瀝る】

[動ラ五(四)]《「下垂る」の意。古くは「しただる」とも》
水などが、しずくになって垂れ落ちる。「血が―・る」
美しさや鮮やかさがあふれるばかりに満ちている。「水も―・るいい男」「緑―・る草原
[類語]垂れる垂らす流れるこぼれる零れ落ちる伝うぼとぼとぼたぼたぽたぽたほろほろぽろぽろぽとぽとぼろぼろたらたらだらだらはらはらぽつぽつぱらぱらばらばらぽろりほたほたぽつりぽつりぽつりぽつんはらりぱらりほろりぽたりどくどくたらりちょろちょろちょろりとくとくしたたりだくだくぽとり滴り落ちるこぼれるほとばしるあふれる

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精選版 日本国語大辞典 「滴る」の意味・読み・例文・類語

した‐た・る【滴・瀝】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「下垂る」の意。古くは「しただる」 )
  2. 水などがしずくとなって、下に垂れ落ちる。
    1. [初出の実例]「その矛の鋒(さき)より、滴瀝(シタタル)(しほ)、凝って一の島(しま)に成(な)れり」(出典日本書紀(720)神代上(兼方本訓))
    2. 「大きなる器に水を入れて、細き穴を明けたらんに、しただる事少しといふとも、怠る間なく洩りゆかば、やがて尽きぬべし」(出典:徒然草(1331頃)一三七)
  3. ( 水が垂れて来そうであるというところから ) みずみずしい鮮やかさが現われる。また、感情などがあふれるばかりである。
    1. [初出の実例]「緑滴(シタタ)らんばかりなる丈なす黒髪」(出典:火の柱(1904)〈木下尚江〉一三)
  4. 下に垂れ下がる。
    1. [初出の実例]「谷道遙に、松杉黒く、苔しただりて」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)雲岸寺)

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