漸く(読み)ヨウヤク

デジタル大辞泉 「漸く」の意味・読み・例文・類語

ようやく〔やうやく〕【漸く】

[副]
長い間待ち望んでいた事態が遂に実現するさま。やっとのことで。「戦争が終わり漸く平和になった」
苦労した結果目標が達成できるさま。かろうじて。何とか。「迷ったすえに漸くたどりついた」
物事がしだいに進行して、ある状態になるさま。だんだん。
「人々は―に列を乱して」〈漱石趣味遺伝
ゆっくりと。おもむろに。
「―歩みて帰る」〈今昔・七・四四〉
[補説]「ややく」に「う」が加わったという説、「やくやく」の音変化とする説などがある。
[類語](1)(2えんやらやっとやっとのことでどうにかこうにかやっと何とかどうにかかろうじてからくも危うくすんでのところでやっとこさ間一髪危なくすんでのことあわや九死に一生を得るすれすれようようようやっとどうかこうかかつがつどうやらこうやら曲がりなりにもまあまあまあよっぽどかなりなかなかわりあいわりかたわりかし割に比較的まずまずかすかすどうやらなんとかかんとかそこそこそれなり増し次善セカンドベストベター及第無難ほどほど捨てたものではない満更まんざらでもないまだしもまだいまだしいま不徹底不十分及ばずながら不全不完全どうなりこうなり一応急場しのぎ当座しのぎ一時しのぎその場しのぎ/(3)(4段段次第に次第次第に徐徐に追い追い漸次ぜんじ歩一歩・一歩一歩・着着ちゃくちゃく日に日に日増しに年年ねんねん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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