激する(読み)ゲキスル

デジタル大辞泉 「激する」の意味・読み・例文・類語

げき・する【激する】

[動サ変][文]げき・す[サ変]
はげしくなる。荒々しくなる。「戦いが―・する」
怒りなどで興奮する。いきりたつ。「―・した口調で発言する」
はげしくぶつかる。「岩に―・する奔流
励ます。激励する。「友を―・する」
[類語]興奮激昂逆上のぼせる上気熱狂熱中高揚感奮激発ぷっつん堪え難いたまらない忍び難いやりきれないかっとかっかけんか腰ちゃぶ台返しエキサイトフィーバー(―する)高ぶるかっとなるいきり立つはやり立つわくわくするぞくぞくするどきどきするのぼせ上がる血迷う血走る席を蹴る堪忍袋の緒が切れる怒り心頭に発する喧嘩早い喧嘩っぱや癇癪かんしゃく癇癖癇性ヒステリック虫気怒り腹立ち憤り怒気瞋恚しんい憤怒ふんど・ふんぬ憤懣ふんまん鬱憤うっぷん義憤痛憤悲憤憤激憤慨ふんがい立腹激怒逆鱗げきりん憤ろしい腹立たしい業腹ちゅうっ腹やけっ腹悲憤慷慨短気気短短慮せっかち性急気早気が短い気忙しい直情径行怒りっぽい切れる瞬間湯沸かし器

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精選版 日本国語大辞典 「激する」の意味・読み・例文・類語

げき‐・する【激】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]げき・す 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. はげしくなる。あらだつ。激烈になる。
      1. [初出の実例]「甲冑に映ぜる朝日は、電光の激(ゲキ)するに異ならず」(出典太平記(14C後)八)
    2. はげしくぶつかる。衝突する。
      1. [初出の実例]「誰か謂っし花ものいはずと 軽漾(けいやう)激して影脣を動かす〈菅原文時〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)上)
      2. 「左右に激(ゲキ)し、八方を払ひ、破(わ)っては返し、帰しては進み」(出典:太平記(14C後)二二)
    3. 感情が高まる。興奮する。いきりたつ。激怒する。
      1. [初出の実例]「激して云た心也」(出典:中華若木詩抄(1520頃)上)
      2. 「被害者の家族は律義者で、皆激(ゲキ)し切って居る」(出典:土(1910)〈長塚節〉一〇)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]げき・す 〘 他動詞 サ行変 〙
    1. はげしくする。あらだてる。
      1. [初出の実例]「一家内の争論に他人より挿口するは却て彼の怒を激するの恐れもあることなれば」(出典:日本道徳論(1887)〈西村茂樹〉五)
    2. はげます。奮激させる。
      1. [初出の実例]「なれども文帝を激させまいせうとてかふ云たぞ」(出典:漢書列伝竺桃抄(1458‐60)張馮汲鄭第二〇)

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