火牛(読み)カギュウ

デジタル大辞泉 「火牛」の意味・読み・例文・類語

か‐ぎゅう〔クワギウ〕【火牛】

兵法の一。牛の角に刀の刃を上に向けて結び、尾にあしを結びつけて点火し、その牛を敵軍に追いやる。古代中国せい田単でんたんが考えた兵法とされ、「火牛の計」といわれる。

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精選版 日本国語大辞典 「火牛」の意味・読み・例文・類語

か‐ぎゅうクヮギウ【火牛】

  1. 〘 名詞 〙 兵法の一つ。中国の戦国時代に斉の田単が用いたと「史記」などに見える奇計で、牛の角に兵刃を束ね、尾に葦を結び付けて点火し、夜陰に乗じて敵陣に放つもの。
    1. [初出の実例]「斉の田単が火牛のはかりことあり。牛の尾に火をとぼいたことあり」(出典:玉塵抄(1563)一一)

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普及版 字通 「火牛」の読み・字形・画数・意味

【火牛】かぎゆう(くわぎう)

牛の尾に火をつけ、敵陣に走らせる攻撃法。〔史記、田単伝〕田單乃ち中に收めて千餘牛を得、~兵を其の角に束ね、脂を(そそ)ぎてを尾に束ね、其の端を燒き、~夜、牛を縱(はな)つ。牛尾熱し、怒りて燕軍に(はし)る。

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