すみ【炭】
〘名〙
① 木などが焼けて黒く残ったもの。けしずみ。
※伊勢物語(10C前)六九「その杯の皿に、続松(ついまつ)のすみして、歌の末をかきつぐ」
※
正倉院文書‐天平宝字六年(762)三月一日・造東大寺司告朔解「自
二福智山
一運
二炭九百廿八斛
一」
④ 紋所の名。すみのきりくち、
三盛(みつもり)すみのきりくちなどがある。
⑤
茶の湯で、炉や風炉に炭を継ぐこと。また、その
作法。炭手前。炭点前。
※
宗湛日記‐天正一五年(1587)三月一〇日「はい入てより一すみあり。咄有て薄茶一ぷくづつめされうかと被仰て」
たん【炭】
〘名〙
② 石炭。
※ガトフ・フセグダア(1928)〈
岩藤雪夫〉一「此の
船足で、八哩と出やしない、炭
(タン)を無駄にするだけだ」
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デジタル大辞泉
「炭」の意味・読み・例文・類語
すみ【炭】
1 木材を蒸し焼きにして作った黒色の燃料。焼くときの温度や使用する木材の違いにより多くの種類がある。木炭。「炭をおこす」《季 冬》「―の香のなみださそふや二の替/万太郎」
2 木などが燃えて黒く残ったもの。「燃えて炭になる」
[類語]木炭・消し炭・炭団・練炭・豆炭
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すみ【炭 charcoal】
木材の熱分解後の固体残渣(ざんさ)のことで木炭ともいう。炭を主目的として木材を炭化することを製炭といい,炭焼きともいう。木炭は炭窯で造られた黒炭,白炭のほかに,乾留でできた乾留炭があり,木材の不完全燃焼でできた残渣の消炭も木炭である。木炭は黒鉛,石炭,コークス類と同じ無定形炭素の一種である。
[歴史]
中国大陸では,約3000年前に青銅器文化が栄え,これに必要な木炭を焼いていたことが推定される。2100年前の前漢前期に作られた長沙の馬王堆の墳墓の木槨(もつかく)の外周に約50cmの木炭層が作られていて,その重量は5tであった。
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世界大百科事典内の炭の言及
【炭焼き】より
…木炭を作ること,またそれを生業とする人。炭焼きはほとんど山間農民の兼業として行われてきたが,それが一般化したのはむしろ明治以後といってよい。…
※「炭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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