烏瓜(読み)カラスウリ

デジタル大辞泉 「烏瓜」の意味・読み・例文・類語

からす‐うり【××瓜】

ウリ科蔓性つるせい多年草山野に生え、巻きひげで他に絡みつく。葉は手のひら状に浅く裂ける。雌雄異株。夏の夕方花びらの縁が糸状に裂けた白い花をつけ、実は楕円形で赤く熟す。塊根からとるでんぷんは天瓜粉てんかふん代用。たまずさ。 秋》くれなゐもかくては淋し―/蓼太
[類語]真桑瓜メロン西瓜夕顔瓢箪糸瓜へちまふくべひさご胡瓜白瓜カボチャ唐茄子冬瓜とうがん苦瓜

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精選版 日本国語大辞典 「烏瓜」の意味・読み・例文・類語

からす‐うり【烏瓜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ウリ科のつる性多年草。本州以南の各地、沖縄、台湾、中国に分布し山麓などに生える。根は塊状に肥厚する。茎は長さ三~五メートル、巻きひげで他物にからみ、葉は長さ約一五センチメートルの卵形で掌状に浅く三~五裂する。茎、葉ともに白色のあらい毛がある。雌雄異株。夏の夕方、葉腋(ようえき)に花冠の五裂した白色花を開く。裂片の縁は細かくきれて糸状に垂れる。果実は長さ五~七センチメートルの楕円形で秋に赤く熟す。種子は黒褐色。塊根はキカラスウリの代用として天瓜粉の材料。漢方では根を土瓜根(どかこん)瓜呂根(かろこん)といい、通経・利尿排膿(はいのう)剤に、種子は土瓜仁といい、袪痰(きょたん)鎮咳・鎮痛剤にする。たまずさ。むすびじょう。ぐどうじん。きつねのまくら。《 季語・秋 》

▼からすうりの花《 季語・夏 》 〔日葡辞書(1603‐04)〕

  1. 植物「きからすうり(黄烏瓜)」の古名。
    1. [初出の実例]「栝楼 一名地楼〈略〉一名苦楼 和名加良須宇利」(出典:本草和名(918頃))
    2. 「栝楼カラスウリ 倭名鈔に兼名苑註を引て、栝楼一名カラスウリといふと註せり、毛詩爾雅本草等の注に依るに、栝楼は天瓜也、は爾雅の姑、一名王瓜也、即是二物也、〈略〉天瓜王瓜同じく是れ蔓生にして、其葉も又相似たれば、我国の俗共に呼でカラスウリと云ひしと見えたり」(出典:東雅(1717)一四)
  2. ( の根を月経、こしけの薬とするところから ) 月経の異称。月のもの。
    1. [初出の実例]「からす瓜まだかれぬから御そく才」(出典:雑俳・口よせ草(1736))
  3. ( の種子を玉章(たまずさ)というところから ) ふみ。手紙。また、恋文(こいぶみ)。艷書(えんしょ)
    1. [初出の実例]「闇に鳴く妹が袂の玉章(カラスウリ)」(出典:雑俳・好文木(1716‐36))

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動植物名よみかた辞典 普及版 「烏瓜」の解説

烏瓜 (カラスウリ)

学名:Trichosanthes cucumeroides
植物。ウリ科のつる性多年草,園芸植物,薬用植物

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