無指向性無線標識(読み)むしこうせいむせんひょうしき

百科事典マイペディア 「無指向性無線標識」の意味・わかりやすい解説

無指向性無線標識【むしこうせいむせんひょうしき】

non-directional radio beaconの訳。略してNDBとも。航空路用の無線標識局一種で,長波あるいは中波帯を利用して,360°の全方向に無指向性電波を発射する。機上自動方向探知機で標識局の位置を知るが,VORに替わられた。
→関連項目電波標識

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の無指向性無線標識の言及

【航空交通管制】より

…当時は,目的地に飛行するパイロットは地上物標を目視しながら自由にコースと高度を選んでいたが,無線通信が使われるようになり,計器システムが発達するのに対応して,33年,アメリカでNDB(non‐directional radio beaconの略。無指向性無線標識)を結んだ航空路が設置された。多くの航空機がこの航空路を利用するようになると,衝突を防ぐため,各航空会社は無線で自社の航空機に対し他の航空機の位置や高度,地点通過の予定時刻などの情報を提供するようになった。…

【航空保安無線施設】より

…(4)は運航中の航空機と地上の交通管制部や管制塔,気象機関などの間の通信連絡を行うためのもので,ふつう近距離の場合はVHF(超短波)を,長距離の場合はHF(短波)のSSB(側波帯)を用いて行われ,UHF(極超短波)はおもに軍用通信に用いられている。【長野 英麿】
〔航空保安無線施設の種類〕

【無線航行援助施設】
NDBnon‐directional beaconの略で無指向性無線標識ともいう。NDB局は長・中波(200~415kHz)の無指向性電波を発射し,それぞれのNDB局識別のため1020Hzを用いて一定時間ごとにモールス符号を発する。…

【VOR】より

…VOR局にはDME(距離測定装置)の併設されているところが多く,方位と距離を同時に測定して機位を知りうるようになっている。無線標識ではかつてNDB(無指向性無線標識)が主力であったが,VORのほうが精密で空電による妨害が少ないので,現在ではほとんどNDBにとって代わった。航空保安無線施設【関川 栄一郎】。…

※「無指向性無線標識」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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