酸無水物の一つで、フタル酸の二つのカルボキシ基(カルボキシル基)から1分子の水がとれた構造をもつ。
フタル酸を加熱して脱水すると得られるが、工業的には五酸化バナジウムを触媒としてナフタレンまたはo(オルト)-キシレンを気相で酸化して製造する。無色の針状結晶で昇華性がある。水にはわずかに溶け、徐々に加水分解されてフタル酸になる。エーテルにもわずかに溶ける。プラスチックの可塑剤であるフタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステルの製造や、アルキド樹脂、フェノールフタレイン、フルオレセイン、エオシンなどの染料、医薬の合成原料として用いられる。
[廣田 穰 2016年11月18日]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
1,2-benzenedicarboxylic anhydride.C8H4O3(148.11).フタル酸を加熱すると容易に脱水して無水物が得られる.工業的には,ナフタレンやo-キシレンを酸化バナジウム触媒の存在下400~460 ℃ で空気酸化して大量に合成される.昇華しやすい結晶で,融点131~132 ℃,沸点295 ℃.1.527.アルコール類,ベンゼンなどに可溶,また熱水には溶けてフタル酸になる.可塑剤やアルキド樹脂の原料として,またフタロシアニン染料,そのほかの染料・顔料の中間物として用いられる.眼の粘膜を刺激することがある.[CAS 85-44-9]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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