無水炭酸ナトリウム(読み)むすいたんさんナトリウム(英語表記)anhydrous sodium carbonate

精選版 日本国語大辞典 「無水炭酸ナトリウム」の意味・読み・例文・類語

むすいたんさん‐ナトリウム【無水炭酸ナトリウム】

  1. 〘 名詞 〙 ( ナトリウムは[ドイツ語] Natrium ) ナトリウムの炭酸塩無水物。化学式 Na2CO3 無臭白色粉末吸湿性がある。水溶液は強いアルカリ性。せっけん・ガラス・ナトリウム塩の原料として重要。ソーダ灰。無水炭酸ソーダ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「無水炭酸ナトリウム」の意味・わかりやすい解説

無水炭酸ナトリウム
むすいたんさんなとりうむ
anhydrous sodium carbonate

炭酸ナトリウムの無水和物Na2CO3のことであるが、工業的にはソーダ灰の名でよばれ、ソーダ工業における主要な原料物質である。現在日本ではほとんどがアンモニアソーダ法か塩安ソーダ法によって生産されているが、アメリカなどでは天然ソーダ灰の採取へ移行している。アンモニアソーダ法や塩安ソーダ法において、粗炭酸水素ナトリウムを煆焼(かしょう)して得られるソーダ灰は、見かけの比重(約0.7)が小さく、飛散しやすいので、軽質ソーダ灰軽灰(けいばい))といわれる。これを一度加水してから再度煆焼したものは、見かけの比重が1.1程度で飛散しにくく、重質ソーダ灰(重灰)といわれる。用途によって使い分けされる。板ガラスおよびガラス製品の製造原料、鉄鋼の脱硫用などが主要な用途であるが、そのほか工業薬品、医薬農薬、紙・パルプ、食品などの製造にも広く用いられる。

[鳥居泰男]

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