精選版 日本国語大辞典 「無神論」の意味・読み・例文・類語
むしん‐ろん【無神論】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
神が存在するということを否定する立場。ただし、そもそも「神」の定義は多様である以上、定義の選び方によってはどのような立場も無神論となり、またその逆もありえよう。実際、それぞれの文脈に応じてさまざまな主張が無神論とみなされてきた。
古くは、社会に広く認められている特定の宗教に反する立場がときに「無神論」として非難、排斥された。アナクサゴラス、ソクラテスがギリシアの神々を認めないという理由で裁判にかけられたのはその例であり、ローマの公認宗教に参加しないキリスト教徒がこうよばれたこともあった。やがてはキリスト教を否認する者が無神論の名で排斥、差別されることにもなった。
しかし今日では「無神論」は、このような否定的評価を含む語としてではなく、理論上の立場をさす語として使われる。その場合、無神論とは、「神」が有意味な語であることを認める場合には、神を人格的存在者であって、世界の創造者ないしはこれを支配する、非常に力ある者と解したうえで(このような表現が字義どおりに解されるにせよ、類比的に解されるにせよ)、そのような者は存在しないとする立場、また「神」は無意味または意味の不明確な語であるとする場合には、これを理由として「神が存在する」という主張を否定する立場のことである。
無神論の主張は、神という観念の起源を神なしに説明することによってなされることもあるが、主たる論拠は、世界の存在は神なしに説明できること、および、神を仮定すると世界の状態が整合的に説明できないことに求められる。前者としては世界をただ物質のみから説明する唯物論があり、自然科学の発達に伴って有力な傾向となった。現代におけるマルクス主義と一部の実存主義の無神論にもこの傾向がある。また後者としては悪の存在からの議論がある。
[清水哲郎]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…17世紀にいちはやく市民革命をなしとげたイギリスは,当然啓蒙思想の口火を切るという栄誉をになうが,ここでは,その内容はおおむね穏健であり,認識論においては経験論,宗教に関しては理神論といった考えが大勢を占める。一方,市民階層の形成におくれをとったフランスにあっては,フランス革命を頂点とする18世紀が啓蒙思想の開花期となるが,ここでは,先進のイギリス思想に多くを学びながら,啓蒙思想はすくなくとも一翼において,唯物論,無神論などといったより徹底した過激な形態を示す。領邦の分立,大土地所有貴族の強固な支配権の残存などのために,英仏両国にたいしてさらに市民社会の形成におくれをとったドイツは,フリードリヒ大王のいわゆる〈上からの啓蒙〉という変則的な形で近代国家の形成に向かわなければならなかった。…
※「無神論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新