精選版 日本国語大辞典 「無縁仏」の意味・読み・例文・類語
むえん‐ぼとけ【無縁仏】
むえん‐ぶつ【無縁仏】
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正統な先祖霊に対して、それ以外の霊をいう。平安時代には物の怪(け)、中世には怨霊(おんりょう)・御霊(ごりょう)、近世以降は無縁仏という。いくつかの概念が混じり合った語。(1)霊魂信仰の考え方では、戦死、事故死、自殺など非業(ひごう)の死を遂げた人の霊は、遺体から遊離して浮遊霊となって空中をさまよい、しばしば人に害を与えるものとして恐れられた。(2)結婚せずに死んだ人の場合、死後の祭りをしてくれる子孫がなく、不幸であると同時に一段低い霊と考えられた。また、縁者の絶えた死者の霊。(3)所属する家では先祖霊に数えられながら、嫁の実家などでお客仏として扱われるもの。(4)仏家の間では、仏法を聞く機縁のない者を無縁の衆生(しゅじょう)といい、一つの宗旨・宗派の立場からは、他の宗旨・宗派の死者を無縁仏とする場合もある。以上四つを総括して無縁仏という。盆には先祖を祭る精霊棚(しょうろだな)とは別に、餓鬼(がき)棚などを設けて供物を分かち与える例が多い。
[井之口章次]
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…これらのことは往時の〈旅は憂いもの辛(つら)いもの〉といったありさまをよく反映している。行路病死者の霊魂は,正常の人間として生を全うし,祖霊化の過程をとって,帰るべき家をもつ霊(本仏)に対して,無縁仏として差別される。それゆえにたたりがおそれられ,無縁供養が行われる。…
…平安時代になると,空海など渡唐僧によって施餓鬼(せがき)の法が伝えられ,鎌倉時代にはこれが諸宗派に取り入れられ,室町時代には施餓鬼会が盛んに行われた。本来,盂蘭盆会と施餓鬼会は別種の法会であるが,餓鬼と無縁仏とが同じ意味で理解されるようになり,盆中または盆の前後に施餓鬼会が行われるようになった。こうして盂蘭盆会と施餓鬼会とが密着し,盆施餓鬼は一般寺院の年中行事でも重要な位置を占めるに至った。…
…西日本に多い憑物(つきもの)の一種で,とくに空腹時に憑かれることが多い。ダリ神,ダリ仏,ダニ,ダラシ,ジキトリ,ヒモジイ様,イザリ神などともいい,餓鬼や無縁仏に憑かれる例や,歩行中に出会う〈行逢神(いきあいがみ)〉も同系統のものといわれている。この神に憑かれると急に空腹を覚え,冷や汗がでたり,手足がしびれて足腰が立たずに一歩も進めなくなるという。…
※「無縁仏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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