無頼(読み)ブライ

デジタル大辞泉 「無頼」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐らい【無頼】

[名・形動]
正業に就かず、無法な行いをすること。また、そのさまや、そのような人。「無頼な(の)やから
頼みにするところのないこと。
単孤―の独人になりて」〈十訓抄・二〉

む‐らい【無頼】

ぶらい(無頼)」に同じ。
「―ノ党」〈和英語林集成

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精選版 日本国語大辞典 「無頼」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐らい【無頼】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 頼みにするところのないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「徐目間欲令着鮮明下襲、無頼殊甚」(出典:小右記‐長和二年(1013)正月二〇日)
  3. 一定の職業を持たず、無法なことをすること。また、そのさまやその人。やくざ
    1. [初出の実例]「無頼之輩、争事驕侈、尤剥斑犢、競用」(出典:日本後紀‐延暦二三年(804)一二月壬戌)
    2. 「もろこしにして、公儀の法度ををそれず、わが家業をつとめざるものを無頼(ブライ)と云」(出典:和俗童子訓(1710)一)
    3. [その他の文献]〔史記‐高祖本紀〕
  4. 期待通りでないものを、憎みののしっていう語。
    1. [初出の実例]「小僧無頼、如何救得焉」(出典:空華日用工夫略集‐応安四年(1371)二月二七日)
    2. [その他の文献]〔徐陵‐烏棲曲〕
  5. やすんずることがないこと。くるしいこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「また伯父の無聊無頼(ブライ)な惘々とした顔を見ると」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三)
    2. [その他の文献]〔魏志‐華陀伝〕
  6. 酒や女遊びにふけること。放蕩(ほうとう)
    1. [初出の実例]「問曰、痘瘡も無頼より起る諸病の如く起因有て伝染する病なるや」(出典:遁花秘訣(1820)原序)

む‐らい【無頼】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「む」は「無」の呉音 ) =ぶらい(無頼)〔文明本節用集(室町中)〕

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普及版 字通 「無頼」の読み・字形・画数・意味

【無頼】ぶらい

やくざ。〔五代史、前蜀、王建世家〕少(わか)くして無。牛を(はふ)り驢(ろ)を盜み、私鹽を販(う)るを以て事と爲す。里人之れをと謂ふ。

字通「無」の項目を見る

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