無骨(読み)ブコツ

デジタル大辞泉 「無骨」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐こつ【無骨/武骨】

[名・形動]《「こち無し」を音読みにした語》
骨ばってごつごつしていること。また、そのさま。「節くれだった―な手」
洗練されていないこと。無作法なこと。また、そのさま。「―な振る舞い」
役に立たないこと。才のないこと。また、そのさま。
「我―なりといへども…君王の死を救ひ」〈曽我・五〉
都合の悪いこと。また、そのさま。
「(御遊ぎょゆうノ興ヲ)さましまゐらせんも―なるべしとて」〈平治・上〉
[派生]ぶこつさ[名]
[類語](2野暮野暮ったい無粋無風流無作法無造作泥臭いむくつけきプリミティブ

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精選版 日本国語大辞典 「無骨」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐こつ【無骨・武骨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ] ( 無作法の意の「こちなし(無骨)」の音読み )
    1. ( 形動 ) 無作法なこと。無礼なこと。あるいは不風流なこと。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「近代之作法、頗無骨歟」(出典:玉葉和歌集‐承安二年(1172)閏一二月二四日)
    2. ( 形動 ) 役にたたないこと。才のないこと。また、そのさま。不才。
      1. [初出の実例]「吾、ぶこつなりといへども」(出典:曾我物語(南北朝頃)五)
    3. ( 形動 ) 具合の悪いこと。都合の悪いこと。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「就中自貴所被奉、空送数剋甚以無骨也」(出典:左経記‐長元八年(1035)三月二五日)
    4. ( 武骨 ) 武術にすぐれていること。〔塵芥(1510‐50頃)〕
    5. ( 形動 ) (男性の)行動・性格などが骨張っていること。角張って堅くごつごつしていること。洗練されていなくて粗野であるさま。
      1. [初出の実例]「Agrestis〈略〉bucot(ブコツ)ナル ヤマガツ」(出典:羅葡日辞書(1595))
  3. [ 二 ]
    1. ( 体に骨がないように見えるところから ) 軽わざなどの曲芸
      1. [初出の実例]「京中有雑芸者、是則法師形也。世号謂无骨、〈略〉随召仰撿非違使此由、撿非違使馳向彼無骨所、擬追捕之間、件無骨法師等、在前問云々」(出典:本朝世紀‐長保元年(999)六月一四日)
    2. むこつ(無骨)

む‐こつ【無骨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 骨のないこと。骨なし。〔礼記深衣
  3. ぶこつ(無骨)
    1. [初出の実例]「無骨(ぶこつ)を むこつ」(出典:かた言(1650)三)

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普及版 字通 「無骨」の読み・字形・画数・意味

【無骨】むこつ

軟弱。

字通「無」の項目を見る

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