然うして(読み)ソウシテ

デジタル大辞泉 「然うして」の意味・読み・例文・類語

そう‐して〔さう‐〕【然うして】

[副]前に述べた方法手段によるさま。「然うして切るとうまくいく」「然うして食べるとおいしい魚だ」
[接]
前述事柄を受け、それに継続して、あるいはその結果生じる事柄を導く。そして。「朝、六時に起きた。然うして散歩に出かけた」「父が事業に失敗した。然うしてわが家は没落した」
前述の内容を受けて、さらに付け加えることを表す。そして。「富士山は高く、然うして美しい」
[類語]それから次いでしてこうしてかくてかくしてそして次にひいてついてはひいてはそれ故だから従ってよって故にすなわちですからその上それにてて加えてあまつさえ更にかつまたなおかつおまけに加うるにのみならずしかのみならずそればかりかこの上それどころか

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精選版 日本国語大辞典 「然うして」の意味・読み・例文・類語

そう‐してさう‥【然して】

  1. 〘 接続詞 〙 前の事柄に、後の事柄が並列的に付加されることを示す。それから。それに加えて。そのうえ。しかして。そして。そうて。
    1. [初出の実例]「諸侯が振驚して此間の侵奪たる地を還たぞ。さふして在位三十六年まで威勢があったぞ」(出典:史記抄(1477)一七)
    2. 「コリャ、誰だと思ったら、思ひも付かねへ大和屋の姉(あねへ)が、先へ引立(ひったて)とは、じゃうだん鯰を押へましょ。そうしてお前は、何んしに来たのだ」(出典歌舞伎・暫(1714))
    3. 「すべての想像は華かな、明るい、甘い、さうしてまばゆい気まりのわるいものであった」(出典:お目出たき人(1911)〈武者小路実篤〉一)

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