精選版 日本国語大辞典 「焼結」の意味・読み・例文・類語
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細かい粉末を高温に加熱したときに、融点以下の温度でも粉の粒子が互いに付着して固まること。粉末冶金(やきん)や窯業のもとになる重要な現象であり、陶磁器や種々の工業材料をつくるのに利用される。焼結がおきているときには粒子どうしの接触部で原子が粒子の表面や内部を通ったり昇華したりして活発に動いており、加熱を続けるうちに粒子間のすきまを埋めるように原子が堆積(たいせき)し、初めはスポンジ状を呈していたものも孔(あな)の少ない緻密(ちみつ)な塊になっていく。雪が0℃以下の温度でも付着して固まっていくのも一種の焼結現象である。また鉄鉱石を粉砕したときにできる細かい粉鉱石は、そのまま溶鉱炉に入れると棚吊(つ)り(鉱石がシャフトの局部にひっかかって下降しなくなる状態)などをおこし操業に支障をきたすので、それを避けるため焼結して適当な大きさのつぶれにくい通気性のある塊にする。
焼結の原動力は主として物質の表面張力であるが、これは細いガラス管の中の水を持ち上げる毛管圧力と同種の力である。種類の異なる粉末粒の接触部では混じり合って均質になろうとしたり、化合物をつくろうとする力も原子の移動を引き起こし、焼結現象はきわめて複雑になる。また、圧力をかけながら焼結すると粒子間接触部は圧着され、原子の動きもさらに活発になり、焼結しにくい物質でも比較的容易に固められる。焼結中に成分の一部が溶けて粉末粒子のすきまにしみ込んでいく場合には、融液の毛管圧力により粒子は互いに引き付けられ、短時間で緻密な塊ができる。これは液相焼結とよばれ、融点の高い金属粉やセラミック粉のようにそのままでは焼き固めにくい粉末を焼結するときによく用いられる。工業的には、粉末の種類や性質および製品の使用目的に応じて焼結の温度、時間を変える。また、金属粉などは粒子表面に酸化物があると焼結しにくいので、水素や分解アンモニアガスのように還元力のあるガス中や真空中で焼結する。
[渡辺龍三]
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粉体をその各成分の融点以下あるいは一部液相を生じる温度に加熱したとき,物体粒子間の結合によりある程度の強度,形,大きさをもつ固体になる現象.純粋な一物質の場合は液相は生じないが,多成分の場合には液相を生じて焼結が進行することがある.前者では,粒子間の結合力はその物質の化学結合であるが,後者は,ガラス相および結晶相の生成のため複雑である.各種窯業製品,および粉末,金,サーメットなど無機材料の製造に広く応用されている重要な現象である.また,粉体成形せずに加熱したとき,粉体粒子どうしの結合よりもおもに粉体表面の平滑化により,その表面積が減少することも焼結あるいは自由焼結という.[別用語参照]焼成
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