煙出し(読み)ケムダシ

デジタル大辞泉 「煙出し」の意味・読み・例文・類語

けむ‐だし【煙出し/×烟出し】

煙を外に出すために設けた窓。けむりだし。
煙突。けむりだし。
「製造場の―が幾本も立っている」〈荷風・すみだ川〉

けむり‐だし【煙出し】

けむだし」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「煙出し」の意味・読み・例文・類語

けむ‐だし【煙出・烟出】

  1. 〘 名詞 〙 内部の煙を排出するために開けた、煙の出口。多く、家屋軒下屋根に開けた窓や煙突をいうが、炭焼きなどの竈(かま)や、船、蒸気機関車などの煙突をもいう。けぶ出し。けぶり出し。けむ抜き。けむり出し。
    1. [初出の実例]「屋ねに煙出しのない所はわるいと」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)五)

けぶ‐だし【煙出・烟出】

  1. 〘 名詞 〙けむだし(煙出)
    1. [初出の実例]「気球は徐々として下りけるが、不幸にして屋上の煙筒(ケフダシ)に当り」(出典:亜非利加内地三十五日間空中旅行(1883‐84)〈井上勤訳〉四)

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世界大百科事典(旧版)内の煙出しの言及

【煙突】より

…【西村 肇】
[西洋建築と煙突]
 排煙・燃焼装置としての煙突の発生は比較的遅い。中世まで,アルプス以南の諸国では床下からの暖房を行ったため,またアルプス以北では天井上の煙出しから排煙したので,ともに特別目立つ煙突を設けなかったからである。中世末以降,暖炉が整備される過程で煙突も生じてくる。…

※「煙出し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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