煩い(読み)ワズライ

デジタル大辞泉 「煩い」の意味・読み・例文・類語

わずらい〔わづらひ〕【煩い/患い】

(煩い)悩むこと。また、そのもととなるもの。苦労心配。「―の種」
(患い)病気。やまい。「長の―」
[類語](1心配気がかり心がかり不安懸念危惧きぐ憂慮憂患心痛心労気苦労屈託くったく思案うれおそれ気遣い考え事物思い考え気疲れ恐れ取り越し苦労杞憂悲観恐れる危懼きく疑懼ぎく胸騒ぎ不安心心細い心許こころもとない怖い危なっかしい頼り無いおののく動揺心騒ぎ煩慮憂惧ゆうぐ憂懼ゆうく憂い事気遣わしい痛心鬼胎ひやひやはらはらどきどきおどおどあぶなあぶな恐る恐るこわごわおっかなびっくりおじおじおずおずびくびくこわがる臆するおびえるびくつくおじるおじける恐怖恐れをなす悪びれる案ずる気が気でないそぞろ足が地につかない気が揉める居ても立ってもいられない矢も楯もたまらない居たたまれない生きた心地もしない気になる気に病むおぼつかない/(2病気疾病疾患障り病魔持病

うるさ・い【煩い/五蠅い】

[形][文]うるさ・し[ク]
物音が大きすぎて耳障りである。やかましい。「隣の話し声が―・い」
注文や主張批評などが多すぎてわずらわしく感じられる。細かくて、口やかましい。「―・い小姑こじゅうと」「規則が―・い」「ワインにはなかなか―・い」
どこまでもつきまとって、邪魔でわずらわしい。また、ものがたくさんありすぎて不愉快なさまにもいう。しつこい。「ハエが―・くつきまとう」「この写真はバックが―・い」
いやになるほどにすぐれている。
「御心とどめて物宣ふにこそあめれ。―・き人の幸ひなりや」〈宇津保・沖つ白浪〉
いやになるほどに、こまごまといきとどいている。
「れいの―・き御心とはおもへども、えさは申さで」〈夕顔
技芸がすぐれている。
織女たなばたの手にも劣るまじく、その方も具して、―・くなむはべりし」〈帚木
[補説]古くは、いきとどいて完全であるさまを、わずらわしく感じる意と、よしとする意の両面からいった。
[派生]うるさがる[動ラ五]うるさげ[形動]うるささ[名]
[用法]うるさい・やかましい――「人々の叫ぶ声がうるさい(やかましい)」「窓を打つ風の音がうるさい(やかましい)」「ブルドーザーの音がうるさい(やかましい)」のように、不快に感じる声・物音・騒音などには相通じて用いられる。◇「蚊のブーンという羽音がうるさい」など、必ずしも大きな音ではないが、わずらわしく感じられるときは「うるさい」が用いられる。◇また、「うるさい」は「規制がうるさい」「世間がうるさい」「髪が長すぎて、うるさい」「装飾がごてごてとうるさい」など、音以外の不快なものにも用いられる。◇「親がうるさい(やかましい)」「味にうるさい(やかましい)」「時間にうるさい(やかましい)」など、「あれこれ言う」の意味では相通じて使われるが、「やかましい」のほうががみがみ言う度合いが強い感じである。
[類語](1やかましい騒騒しい騒がしいかまびすしいかしましいにぎやか口うるさい口やかましい小やかましい騒然喧騒喧喧囂囂けんけんごうごうけたたましい/(3煩わしい面倒臭いややこしいやかましいくだくだしいうっとうしいこうるさい気詰まり煩雑煩瑣しち面倒しち面倒臭い厄介世話面倒めんどう手数てかず・てすう複雑難しい難儀煩多錯雑錯綜さくそうしち難しい入り組んだ込み入った手が込んだ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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