燻る(読み)イブル

デジタル大辞泉 「燻る」の意味・読み・例文・類語

いぶ・る【×燻る】

[動ラ五(四)]よく燃えないで煙が出る。くすぶる。「くべた生木が―・る」
[類語]煙る燻ぶる燻すけぶる煤ける燃える焼ける燃え盛る燃え広がる燃え上がる燃え立つ燃す燃やす焚くくべる火達磨燃焼完全燃焼不完全燃焼

くゆ・る【×燻る/薫る】

[動ラ五(四)]
煙がゆるやかに立つ。くすぶる。「タバコの吸い殻が―・る」
あれこれと思い悩む。
富士のねの絶えぬ思ひもある物を―・るはつらき心なりけり」〈大和・一七一〉
[類語]煙るけぶるいぶるいぶすすすけるくゆらすくすぶる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「燻る」の意味・読み・例文・類語

くゆ・る【燻・薫】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. 炎を上げないで煙だけ出して燃える。煙や匂いなどが立ちのぼる。くすぶる。
    1. [初出の実例]「風をいたみくゆる煙の立ちいでても猶こりずまの浦ぞ恋しき〈紀貫之〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋四・八六五)
  3. 気がはれないで、あれこれと思い悩む。恋心などで思い悩む。
    1. [初出の実例]「人しれぬ心のうちに燃ゆる火は煙は立たでくゆりこそすれ」(出典:大和物語(947‐957頃)一七一)

いぶ・る【燻】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 よく燃えないで煙が出る。けむる。くすぶる。
    1. [初出の実例]「松原の茶屋はいぶるが景になり」(出典:雑俳・柳多留‐一(1765))

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