牛耳る(読み)ギュウジル

デジタル大辞泉 「牛耳る」の意味・読み・例文・類語

ぎゅうじ・る〔ギウジる〕【牛耳る】

[動ラ五(四)]《「牛耳ぎゅうじ」の動詞化団体組織支配し、思いのままに動かす。牛耳を執る。「党内を―・る」
[可能]ぎゅうじれる
[類語]支配統治君臨制覇制圧征服圧伏管理管轄統轄統御統率宰領さいりょう監督統制取り締まり独裁専制治世べる制する領する握る

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精選版 日本国語大辞典 「牛耳る」の意味・読み・例文・類語

ぎゅうじ・るギウジる【牛耳】

  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 ( 「牛耳(ぎゅうじ)」の動詞化 ) 団体、党派などの中心人物となって、その組織を自分の思い通りに動かす。牛耳を執る。
    1. [初出の実例]「殊(こと)に米海軍の射法は、〈略〉大いに兵器界を牛耳(ギウジ)ってゐるさうだ」(出典雑嚢(1914)〈桜井忠温〉七)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「牛耳る」の意味・わかりやすい解説

牛耳る
ぎゅうじる

「牛耳を執(と)る」の転じた語で、団体や集団のリーダーシップをとる中心人物となることをいう。中国、周代の官制を記した『周礼(しゅらい)』によれば、古代中国では、諸侯が相会して盟約を結ぶ会盟(かいめい)のとき、盟主が牛の耳を執り、諸侯はその血をすすり合ったという。また、戦国時代に成立した史書『春秋左氏伝』によれば、尊者は立ち会うだけで、卑者が牛の耳を執ったとあるが、今日では一般的に『周礼』の説が用いられる。呉王(ごおう)夫差(ふさ)が黄池(河南省)に会盟して、中原(ちゅうげん)の覇者たらんとしたとき、晋(しん)の定公と牛耳を執り、血をすする順序を争ったことが、史上に名高い。

[田所義行]

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