牛鍋屋(読み)ギュウナベヤ

デジタル大辞泉 「牛鍋屋」の意味・読み・例文・類語

ぎゅうなべ‐や〔ギウなべ‐〕【牛鍋屋】

牛鍋を食べさせる店。牛屋

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精選版 日本国語大辞典 「牛鍋屋」の意味・読み・例文・類語

ぎゅうなべ‐やギウなべ‥【牛鍋屋】

  1. 〘 名詞 〙 牛鍋を食べさせる料理屋牛肉屋牛肉店。牛屋。
    1. [初出の実例]「こりゃあ久保町の曲り角、牛鍋屋(ギウナベヤ)で買ひました」(出典歌舞伎繰返開花婦見月三人片輪)(1874)二幕)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「牛鍋屋」の意味・わかりやすい解説

牛鍋屋
ぎゅうなべや

牛肉の鍋料理専門の店。牛肉にネギ豆腐などを加えて小鍋で煮ながら食べる「牛鍋料理」は、従来の「小鍋立て」の仕方を応用した日本独特の料理である。呼び名は、鴨(かも)鍋、猪(しし)鍋など山獣野鳥の鍋料理にならったものである。「牛鍋」はおもに関東中心の呼び名で、関西方面では「すき焼き」とよんだが、大正末期からは両者混交して今日ではおもに「すき焼き」と通称されている。日本では家畜(馬牛)の肉食は久しく禁断とされてきたが、明治初頭の「開化」の風潮牛肉食はにわかに盛んになり、「牛鍋屋」は新文明の代表的存在ともなった。当時の知識人、書生たちの「牛鍋屋」をめぐる新しい風俗は、明治初期の小説にも活写されている。

[竹内利美]


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