一般には、報道機関が海外の重要ニュース発生地に取材のため派遣している記者をさす。主要な都市・地域に支局を設け常時そこにいる常駐特派員と、任地を1か所に定めず、事件・問題のあるつど臨時に派遣される移動特派員とがある。従軍記者は後者の一類型に含まれる。普通、通信員correspondentは、在地出身・居住者、あるいは当該報道機関に所属しない者などの契約通信者も含むが、特派員はこれと区別され、あくまでもその報道機関が責任を負い、自ら派遣した者とされる。
日本では報道企業の外信(外報)部記者が常駐特派員となっている場合が多い。政治家の海外訪問などには、同行取材のため政治部記者が移動特派員(同行記者)となったりする。1874年(明治7)『東京日日新聞』(現『毎日新聞』)の岸田吟香(ぎんこう)による台湾出兵従軍、『朝日新聞』半井桃水(なからいとうすい)記者の朝鮮壬午(じんご)軍乱(1882)取材が、わが国報道界の海外特派の始まり。欧米への常駐特派は、1919年(大正8)のパリ平和会議、21年のワシントン軍縮会議以後のことになる。2001年(平成13)現在、わが国の特派員(おもに常駐)はヨーロッパ180名、北アメリカ175名、アジア226名、その他38名、計619名となっている。
[桂 敬一]
『大下英治著『NHK王国 ニュースキャスターの戦場』(1992・講談社)』▽『岸尾祐二編著『新聞のほん 特派員からのメッセージ』(1993・リブリオ出版)』▽『ジュリア・エドワーズ著、太田昭子訳『戦場の女性特派員』(1994・平凡社)』▽『木村昌人・田所昌幸著『外国人特派員――こうして日本イメージは形成される』(1998・日本放送出版協会)』
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