普及版 字通 「独」の読み・字形・画数・意味
独
常用漢字 9画
(旧字)獨
16画
[字訓] ひとり・ただ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は蜀(しよく)。蜀に(とく)の声がある。〔説文〕十上に「犬相ひ得て鬥(たたか)ふなり」(段注本)とし、「羊を群と爲し、犬を獨と爲す」とするが、犬も群集を性とするものである。蜀は牡獣の象形。虫の部分は性器。牝獣を尾といい、尾と蜀と相連なることを屬(属)という。牡器を縊取(いしゆ)して去勢するを(けん)、(たく)して去勢することを(たく)という。これらの字形を以ていえば、獨とは牡獣。牡獣は群を離れていることが多い。〔孟子、梁恵王下〕に「老いて子無きを獨と曰ふ」とあり、また人の孤独の意に用いる。
[訓義]
1. ひとり、一匹の獣、牡獣。
2. ひとりもの、老いて子無きもの。
3. ただ、ひたすら、もっぱら。
4. 犬がかみあう。
5. なんぞ、はた、いずれ、むしろ、あに。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕獨 ヒトリ・ムカフ・ヨル・ヤモメ
[語系]
獨dok、特dkは声義近く、特も単独の意。徒da、但dan、直dikも声近く、いずれも副詞として通用する。
[熟語]
独異▶・独一▶・独往▶・独家▶・独臥▶・独懐▶・独覚▶・独鶴▶・独学▶・独看▶・独▶・独眼▶・独雁▶・独騎▶・独脚▶・独居▶・独吟▶・独見▶・独言▶・独戸▶・独固▶・独語▶・独行▶・独坐▶・独子▶・独視▶・独自▶・独酌▶・独手▶・独秀▶・独宿▶・独処▶・独唱▶・独笑▶・独身▶・独寝▶・独酔▶・独▶・独是▶・独成▶・独醒▶・独絶▶・独占▶・独擅▶・独専▶・独善▶・独創▶・独造▶・独存▶・独断▶・独知▶・独釣▶・独鳥▶・独直▶・独適▶・独店▶・独得▶・独夫▶・独闢▶・独舗▶・独木▶・独門▶・独夜▶・独侑▶・独遊▶・独謡▶・独楽▶・独攬▶・独立▶・独柳▶・独慮▶・独梁▶・独力▶・独輪▶・独歩▶
[下接語]
寡独・介独・鰥独・危独・謹独・独・独・孤独・慎独・専独・単独・抱独・幽独・独
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報