獄(読み)ゴク

デジタル大辞泉 「獄」の意味・読み・例文・類語

ごく【獄】[漢字項目]

[常用漢字] [音]ゴク(呉) [訓]ひとや
1 罪人を閉じこめておく所。ろうや。「獄舎・獄吏/監獄・下獄・出獄・脱獄・典獄・投獄・牢獄ろうごく」
2 裁判。訴訟。「疑獄・大獄」
3 罪人が死後に行く世界。「地獄・煉獄れんごく」
[難読]囚獄ひとや

ごく【獄】

1 囚人を収容しておく所。ろうや。牢獄。「獄につながれる」
2 裁判、または、判決。裁き。
「善く法典を諳そらんじて、―を断ずる法律家」〈鴎外・舞姫〉

ひと‐や【▽獄/囚=獄/人屋】

罪人を捕らえて閉じ込めておく建物。牢屋。牢獄。
「罪人が―の内に押籠められたと同じように」〈藤村・破戒〉

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精選版 日本国語大辞典 「獄」の意味・読み・例文・類語

ごく【獄】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 未決または既決の囚人を監禁しておく所。監獄。刑務所。牢屋。獄屋。ひとや。
    1. [初出の実例]「車駕巡二幸京中一、道経二獄辺一」(出典:続日本紀‐天平三年(731)一一月辛酉)
    2. 「羅漢を捕へて獄に被禁ぬ」(出典:今昔物語集(1120頃か)三)
    3. [その他の文献]〔独断‐上・四代獄之別名〕
  3. ② 訴訟。うったえ。
    1. [初出の実例]「かかる道を知た人の獄をきく事、いかにも明察にあらうぞ」(出典:土井本周易抄(1477)三)
    2. [その他の文献]〔易経‐豊卦〕
  4. ③ 判決。さばき。
    1. [初出の実例]「かさねてまた某が所存のほどを審に問はせ給ひてのちに、其獄をば決し給ひたりけり」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)中)
    2. [その他の文献]〔漢書‐王嘉伝〕

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普及版 字通 「獄」の読み・字形・画数・意味

獄
常用漢字 14画

[字音] ゴク
[字訓] ひとや・うったえる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
言+(ぎん)。言は神に詛盟すること。二犬はその犠牲として当事者の双方から提出されるもので、これによって審判が開始される。善が羊と(きよう)とに従い、盟誓して羊牲を立て、羊神判を行うのと似ている。〔説文〕十上に「(かく)なり」と牢屋の意とし、「二犬は守る以なり」とするが、そのような立意の字ではない。金文に「從獄」という語があり、獄訟に連なることをいう。獄舎のことは、古く夏台・里(ゆうり)・圜土(えんど)・土室・囹圄(れいご)・獄(かんごく)などといった。

[訓義]
1. ひとや、獄、牢。
2. うったえる、うったえ、さばく。
3. つみ、つみする。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕獄 比度夜(ひとや) 〔名義抄〕獄 ヒトヤ・ウタヘ 〔字鏡集〕獄 ウツタフ・ウタヘ・ヒトヤ

[声系]
〔説文〕に獄声として・嶽を収め、また哭(こく)を獄の省声に従う字とする。哭は(けん)と犬との会意字である。

[熟語]
獄案▶・獄垣▶・獄掾▶・獄貨▶・獄▶・獄官▶・獄▶・獄気▶・獄疑▶・獄局▶・獄具▶・獄空▶・獄刑▶・獄▶・獄戸▶・獄圄▶・獄史▶・獄司▶・獄市▶・獄詞▶・獄持▶・獄舎▶・獄囚▶・獄所▶・獄胥▶・獄訟▶・獄情▶・獄成▶・獄訴▶・獄卒▶・獄中▶・獄牒▶・獄丁▶・獄繁▶・獄文▶・獄吏▶・獄牢▶
[下接語]
獄・下獄・監獄・疑獄・議獄・鞫獄・旧獄・禁獄・具獄・刑獄・獄・決獄・坐獄・察獄・惨獄・司獄・市獄・地獄・囚獄・出獄・訟獄・成獄・制獄・折獄・大獄・脱獄・探獄・断獄・治獄・聴獄・天獄・典獄・投獄・獄・入獄・破獄・覆獄・平獄・謗獄・留獄・獄・牢獄

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世界大百科事典(旧版)内の獄の言及

【裁判】より

…【平松 義郎】
[近代]
 明治になった当初は行政権と司法権は混交状態にあったが,1871年(明治4)に司法省が設けられ,72年に江藤新平が司法卿となって以来,両者の分離が進められた。当時は民事裁判を聴訟,刑事裁判を断獄といった。刑事裁判に関しては,フランス法に範をとった治罪法が1870年に公布され(1872施行),90年にはこれを改正した(旧々)刑事訴訟法が公布された。…

【牢屋】より

…近代以降の牢屋すなわち監獄(刑務所)とは,懲役刑,禁錮刑を宣告された犯罪者が身体を拘束される場所を意味するが,その目的や機能には(1)犯罪者の自由を剝奪するという社会的制裁,(2)有益な労働を行わせて犯罪者の社会復帰に備えさせるという矯正の役割,(3)社会秩序を保つため社会の危険人物を隔離する役割,などがある。しかし,牢屋は人間の歴史とともに存在しており,その機能および社会的存在理由は,時代や諸地域の社会の進展とともに大きく変化し,当初から以上のようなものではなかった。…

※「獄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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